おまけ・2016ハロウィン

「優斗さん、今日がハロウィンらしいんですけど、トリックオアトリートって知ってますか?」

首を少し傾げながら聞いてくる青。

無自覚なんだろうけど、ちょうどいい感じに上目遣いになっていて半端なく可愛い。


(知ってるし!むしろそういう日でイベントとかあったらいいなーと思って青に会いに来たんだし!)

そんな気持ちを顔には出さないよう、平静を装いながら青の問いに答える。


「知ってるよ、"お菓子くれなきゃ悪戯するぞ"でしょ?」

「はい、そうです。だから優斗さん、トリックオアトリート!」

そう言って右の手のひらを突き出す青。

(こういうのやってくれたらいいなって思ってたけど、実際にやってくれるなんて…!!)

悶えるのを我慢しながら「じゃあ悪戯して下さい」と言うと…


「…お菓子じゃないんですか…?」

「…え?」


「…じゃあ、こしょこしょー?」と言って青がオレのわき腹を軽くくすぐってきたが、きっとお菓子を期待してたのだろう。

こしょこしょしてくる青も可愛かったが、顔がちょっとしょぼんとしていた。

ていうかこんな→(´・ω・`)だ。


「…あぁあ嘘、嘘!今お菓子持ってないからさ、青の好きなあのお菓子!クレーンゲームでまたいっぱい取ってあげるよ!!今日はハロウィンだからいつもより沢山ね!」

慌ててそういうと、青の顔がぱぁあ…っと輝いた。


「…ほんとですか?!優斗さん優しい!優斗さんのそういうところ、凄く好きです!」

(…好き、だって…!)

青の笑顔とその言葉を貰えるのならお菓子なんて何箱でも取ってやろうと意気込む優斗であったが…

…お菓子に負けた感だけはどうしても否めなかった。




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