第8話 鴉枯れきのふへ向けて飛び発てる

一九九九年の秋に、藤田湘子の発案で「東京新人会」が発足した。最初の句会は東京九段下にある、「鷹」の発行所で開催された。普段の句会と違い、年齢制限五十歳未満という若い顔ぶれが十名ほど集った。二回目の句会では藤田湘子自らが指導に当たり、若い一同を更に奮い立たせた。そして会の幹事に一番若い私が指名された。私は月一回の句会の講師の招聘、句会場の確保、会費の管理などに忙しくなったが、むしろそれにやりがいと喜びを感じて熱心に取り組んだ。藤田湘子に期待されている。ただそのことが嬉しかった。

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