思い出は遠くの日々

拝啓自分 背景ジュブナイル

あの頃聞いた歌もいつかみた桜花抄も

あさはかな暖かさと甘さのみだろう

朱濡れの放課後 明日への教科書

未だ解けず仕舞いの愛の擦過傷

いつか知った藍の最後さえも迷子だったろう

消した灯火を灯しに行こう

願いさえも乏しい

世界の色の灯火と思しき日々


思い出は遠くの日々

思い入れは多くの君

僕らが見つめたのは東と西

涙こらえた『またね』

「いつかみた映画みたいね」

引きつった笑顔の裏に隠れたみたい

手に入れた面影を「痛み」と言い

人知れず道を行こう 独りの道


胸を穿つ音楽といつかのスコール

息が漏れる君が消える

漏れる言葉は「ありがとう」

冷え切った道楽が散らした

季節またぎ咲く桜花も

あたたかい「ありがとう」も

サヨナラお元気で

流れた歌も途切れて今はもう

思い出の跡に種をまこう

窓の外に春を待とう

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