第19話 Cat & Cap of water
朝起きると、枕元に猫がいた
幽霊、いや、たぶん 呪いだ……
いつものように布団をたたみ
いつものように台所へ足を運ぶ
いつものようにコップに水を汲んだら
それで頭をおこす
ギィギッギッギッギ
うちの床はずいぶん軋む……
築年数なんて考えたこともないけど
たぶん旧い、旧い一軒家だ
ギィギッギッギッギ
ギギギィギッッギ……
さっきからひょこひょこついてくるこの猫は
どうやら体重があるようで
私の
次の瞬間には、つま先から10センチほど進んでいる
ああ……面倒だなぁ……
冷蔵庫から牛乳を取り出し、傍にあった浅めの花瓶に注ぐ
すると猫は匂いに気づいたか
はたまた私の素振りに感づいたか
また床板を鳴らしながら近づいてくる
猫はずるい
普段はつかず離れず気軽には撫でられない
そんでもただひとつ、まあひとつだけ
この瞬間だけは無防備ですきだ……
草の模様が入った花瓶を床に置く
猫はこちらを気にせず頭を垂れる……
チャプチャプチャプ
かわいい
サスサスムサムサ
ああ……でもやっぱり面倒だ……
明日にでも飼ってくれる人 探しに行こう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます