8.

『黒田くんってさ、ちょっとだけ、みんなと違うよね』

プールでの、クラスの女の子の台詞が頭の中で木霊する。

『なんていうかさ、一人だけ大人っぽいっていうか。小学生ぽくないっていうか』

 ほら、それに――

 女の子は珍しく少し言葉にすることををためらうように口を開いたり閉じたりしてから、声を発した。

『あの二人と、仲良かったじゃない。亡くなった――ソラ君…と、サクラちゃん』

『そうでしょ? 黒田くん。黒田ユキ・・・・くん』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る