異世界訪問者の日記

朝麦 遊

第一章 1話

「うっ。太陽の光がっ!」

朝から中二病チックな言葉を放ちながら私はのそのそとパソコンの前につく。

「ん。twitterのフォロワー増えてるktkr」

「お。来週新刊でるな。」

8帖程の部屋に響くのはパソコンの音と私の独り言のみ。

時計を見ると10時。

よく寝た。


私は緋渚。高3。高2 からのイジメにより引きこもっている。

この前なんて「そろそろ学校行こう。そうしよう。」と思い、学校に行くと机には白い花瓶に

入った赤い花が1本美しく添えられていた。

周りの人といえば「生きてたんだw」

「自殺したのかと思ったわw」

等だ。

だが私はこれぐらいじゃ辛くも悲しくもない。ただ一言「この花綺麗だね。久しぶりに来たからみんな私のこと忘れてると思ってた。でも花置いてくれて嬉しいな」

と言って1日すごした。

まぁ当然いろいろと言われるわけだがどうせいじめられるなら自分の意見を言っていじめられた方がまだいい。


はぁ。あの頃の自分は凄いな。

今なんて部屋でパソコン

ヒキニートではない。ニートだ。

ちゃんと外には出ている。

現時刻10時30分

母による食料配給が来る...

その時。バン!

なんだ。鈍い音がした。

ドアが思いっきり開かれ壁に当たったみたいだ。

「今日の朝ごはんはパンよ!」

トレイに乗ったパン。パンのみ。

「えっと。あの。パンだけ?」

「そうよ!」

「飲み物は」

「無い!」

「水道水は!」

「パンのみ!」

「鬼畜か!」

「なにか欲しいなら外に出ればいいのよ!」

「朝の光は天敵です。」

「じゃあ我慢!」

......母は鬼畜だった。


「くっそ。鬼畜母め。私だって外に出るんだ。」

いつぶりだろう。クローゼットの前に立ったのは。

適当にとった服を着て二階にある自分の部屋から階段をズカズカ降りて玄関の前に来た。

「大丈夫だ。死にはしない。いいか自分。自販機に行き飲み物を買う。そのついでに本屋に行き新刊漫画を買う。よし。行こう。」

勇気を出し玄関を開けた。


そこで私の記憶は途切れた────


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る