一部始終によるトラブル
元は十時間以上前、お昼時の話だ。
森深くに我ら少数派の拠点であり家でもある古く大きい館がある。
その最上階である5階の右端に位置する四畳半ほどしかない狭い会議室で主であるディーラーと共にカップラーメンを啜っていた。
たださえ狭い部屋の真ん中に三畳ほどの大きさの机がおいてある。
つまり、残りの一畳半をなんとか融通しながら肩身の狭い思いをしながら会議をしている。
食料の調達や天国教の壊滅方法をあーでもないこーでもないと進みようのない話の途中で机の真ん中にあるゴテゴテとした無線機が反応した。
「こちら、マイグル・ファイブ。天国教の拠点と思われる施設を発見した。」
どこかの映画のように食事を机からなぎ払いマイクをてにする。
「こちら、マイグル司令塔(マイグルはマイノリティ・グループの略である。)即刻帰宅しろ、今から拠点制圧の案を練る。」
「ノー無理だ。仲間が一人捕まった。これより単独で拠点制圧に向かう。」
何を言ってるんだ?とディーラーと一瞬だけ顔を見合わせる。
天国教は拠点一つに最低でも一人の能力者がいると最近の諜報活動で分かった。
それを無能力のマイグル・ファイブが赴くなんざ無謀なだけである。
「場所は駅前の市役所。これより制圧を開始する。」
「止めろマイグル・ファイブ!無駄死にするだけだぞ!」
「妻に愛していると伝えてくれ。」
妻なんていねえだろ!と突っ込む前に連絡は途絶した。
その後も連絡はなく、深夜に俺と真城ちゃんの拠点制圧作戦が始動した。
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