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「同じ満月を、同じ中天に昇ったときに、同じ場所で見たのですが、それでも時によって大きさが違うような気がします。これも目の錯覚でしょうか?」


「ほほう、流石なかなか鋭いところに目を付けるね。時期によって大きさが違って見える、これは、目の錯覚ではないと言ってもいい。月が地球の周りを回っている……公転と言うのだが、これは知っているね。その、公転軌道というのは、ほぼ円に近い軌道だが、実際には少しだけずれた楕円軌道になっている。つまり時期によって、地球と月との距離は微妙に差があるわけだ。だから同じ満月の夜だからって、いつも月が同じ大きさに見えるとは限らないんだよ」

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