第3話
3病棟の開かずの扉が開いて、私が中に入ると「いらっしゃい」と言って明るく出迎えてくれたのは素子だけだった。あとの皆んなは、黙していた。彼女にとって明るく挨拶するのが彼女の愛嬌の良さであった。大阪の怒号が聞こえてくる。
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