匿名である事で有象無象でいられる

私はネットでは、匿名で活動をしている。


それは別に、実名を知られたくないからではない。

その辺の事で、私の考えを述べさせて頂こうと思う。


正直に言うと、以前は実名を知られたくはなかった。

でも、今はそんなに拘りはない。


というのも、今はもう、匿名なんて、あってない様なもの。

その気になれば、簡単に正体はバラされてしまうだろう。


だとしたら、そんな事に一々、怯えていても仕方がない。

そんな事を恐れていたら、自分のしたい事が出来ない。


そして何より、私の実名が明らかになったところで、他の方からすれば、誰それ!?という具合になるだけだろう。


私の実名を知っている、覚えている方は、恐らく、世界中で三桁に届かない。


学生時代の同級生だった方とか職場の同僚だった方とかを全て数えれば、数百人にはなると思うが、殆どは、もう忘れられている様に思う。


言われて、やっと、そういえば、そんな奴がいたのかもしれない、くらいだろう。


私は現実世界において、そこまで他人と親しくなった事はない。

だから私の方も殆ど、覚えてはいない。


もし、私が実名を晒しても、私自身は匿名である事とさほど違いはないだろう。

しかし実名を晒す事で他人から変に信用をされるのは困る。


確かに、信用を得たい方は実名でネットの活動をした方がいいのかもしれない。

だけど私は信用をされる必要があるのだろうか。


そもそも私は「正しい」事を発信するつもりはない。

いや、自分の中では「正しい」と思ってはいるが、それが他人にまで通用するとは思っていない。


私に色々な考えがある様に、他人にも他人なりの色々な考えがあるだろう。

その方向性が同じになる事もあれば、違ってしまう事もある。


そんな中で試行錯誤を繰り返して、何が最善なのかを模索していく。

その積み重ねが我々の未来に繋がると私は思っている。


その試行錯誤の材料にする事が出来ればと思って、私は自分が感じた事、思った事を発信させて頂いているにしか過ぎない。


勿論、私の発信したものは試行錯誤の材料にすら、なり得ないのかもしれない。

まあ、それならそれでいいのです。


問題なのは、試行錯誤の材料になるものを一人で抱え込んでしまう事。


発信をしなければ、誰もそれを知る事は出来ない。

折角、試行錯誤の材料になるものなのに、勿体ないよね。


試行錯誤の材料にならないものは、そのままネットの中で埋もれてしまえばいいだけ。

自分で勝手に価値が無いと思い込んで、発信しない事が勿体なく思う。


そして、その価値は、各々がそれぞれに判断すべきものと、私は思っている。

自分一人で決め付けないで、皆に見て貰って、それぞれに判断して貰う。


その上で、実名を明かす事が、誤った付加価値を付けさせる事にもなりかねない。

あの人の言う事は間違いない、なんて思い込みも、また危険だと思う。


勿論、私が実名を明かしたところで、そんなに信用が得られる訳ではないだろう

だから、私という個人が信用をされる必要は無いだろうし、寧ろ、信用されない事を利用出来ると考えている。


周囲の方が情報を咀嚼する癖を付ける事が出来るかもしれない。

また情報に対するリテラシーを鍛える事にもなるのではないか。


私はネットに限らず、自分のところまで来た情報を鵜呑みにすべきではないと思っている。


ちゃんと自分自身で情報を咀嚼する必要がある。


そして、より多くの方が自分自身で情報を咀嚼して、それを発信していく事で、試行錯誤の材料が増えていく。


それが我々の選択肢を増やして、我々の可能性を拡げる。


その様な考え方で、私はネットでの活動をしているのです。


また匿名での活動をする事で、私の立ち位置の様なものを明確にする事は出来ると思うのです。


インターネットは有象無象の者が発信をするのに便利なものだと思うんだよね。

そして時に、その有象無象の中から貴重なアイデアが生まれたりもする。


ネットには、そんな可能性があるのではなかろうか。


そして私は、そんな有象無象という立場からの発信を続けていきたい。


匿名での活動をする事で、その様な私の姿勢を周囲に示す事は出来るのではないか。


そんな風に私は思っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る