『アパシー』
ミーシャ
第1話
なぜこんなにも生活に色があるのだろう。同じ形をして同じ用途しか無いくせに、色だけは豊富に積み上がって、色次第で売れ残る。
人間の肌の色を見ると、黒と赤と白と黄色と緑と茶が混ざっている。そして人間の血は共通して赤い。植物は全体的に緑が多い。昆虫は黒っぽいといったらいいのか。
人間は何色が好きなのだろう。この前テレビで見て知ったのは、日本で車を売るなら、白か黒を必ず用意するのだという。もちろん売れるからだ。
なぜ、白と黒なのだろう。
たくさん色があるのに、なぜ、あいかわらず書類の文字は黒と白ばかりなのだろう。なぜリクルートスーツは黒と白なのだろう。「白黒つける」という言葉は、なぜ「赤と白」だったり「青と白」だったりしないのか。
生活に色が溢れている理由も知らなければ、人間が、白と黒の二色にこだわる理由も、僕にはわからない。社長の葬式は少なくとも黒と白で、僕のスーツも黒と白だった。
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