夏休み
エピソード14/お泊り
俊之は夏休みに入ると夏休み前よりも、更に忙しい日々を送っている。
学校へ通ってる時は週に二、三日、学校が終わってからの数時間、それと土曜日は半日程度で日曜日は一日仕事という具合だった。
それが夏休みに入ってからは、毎日一日仕事、という感じになっていたからだ。
勿論、一週間に一日は休みがある。
その休みの日は
それ以外で俊之と絵美が時間の共有を出来るのは、週に約三日の数時間程しかなかったのである。
しかし俊之と絵美は共に、もっと多くの時間を一緒に過ごしたいと思っていた。
そこで俊之と絵美は夏休みを終えてから、一緒に勉強をする予定だったのを少し早めて、夏休み中から一緒に勉強をする事にしたのである。
勉強であれば、多少は夜が遅くなっても大目に見て貰えるし、毎日、一緒に居る時間を作る事も可能であったからだ。
何日か前の事であった。
─────
絵美「ねぇ、俊君」
俊之「ん?」
絵美「Hをしない!?」
俊之「ははは」
絵美「何が可笑しいの?」
俊之「そりゃ、俺だってしたいけどさ」
絵美「けど!?」
俊之「下にお袋が居るんだぜ」
絵美「そっか」
俊之「やっぱり、恥ずかしいよ。絵美は恥ずかしくないの?」
絵美「言われてみると、恥ずかしい」
俊之「だから、せめて、お袋が眠ってからだったらね」
絵美「うん」
俊之「起きている間にHなんてしたら、バレバレだもん」
絵美「そうだよね」
俊之「だから、今度は泊まりにおいでよ」
絵美「いいの!?」
俊之「いいに決まっているじゃん。多分、俺の方が絵美よりもHをしたいって思っているし」
絵美「そうなの!?」
俊之「極端な話をしちゃうとさ」
絵美「うん」
俊之「男って年がら年中、Hをしたいって思っている様なもんなんだよ」
絵美「そうなんだ。でも、女の子もそうかもしれないよ」
俊之「そうなの!?」
絵美「うん。それとも、私だけが助平なのかな!?」
俊之「絵美って助平なんだ」
絵美「この間、プールに行った後にHをしたでしょ」
俊之「うん」
絵美「私、すごく気持ちが良くて」
俊之「そうなんだ」
絵美「正直に言うと、Hがしたくて仕方がない感じなんだ」
照れながら絵美が言った。
俊之「じゃあ、俺と一緒じゃん」
絵美「俊君も助平なんだ」
俊之「そう。だから、今度は泊まりにおいで」
絵美「判った」
という様な事があったのである。
─────
そして今日、俊之の家に絵美が泊まりに来る事になっていた。
俊之がバイトから自宅へ帰って来る。
俊之「おっかあ、今日、絵美が泊まりに来るから」
俊之の母「泊まりに来るって、あんた、」
俊之「ん?」
俊之の母「セックスをするんじゃないでしょうね!?」
俊之「するつもりだけど」
俊之の母「つもりって、あんた」
俊之「大丈夫。おっかあが寝てからにするから」
俊之の母「そういう問題じゃないわよ」
俊之「何だよ!?」
俊之の母「あんた達、もうセックスをしたの?」
俊之「ああ、おっかあには、まだ話をしていなかったね。もう二回程、しちゃったよ」
俊之の母「ちゃんと避妊はしたんでしょうね!?」
俊之「それは、ちゃんとしているよ」
俊之の母「そう。じゃあ、今更、私が何を言ったところで仕方がなさそうね」
俊之「おっかあも子供のセックスには反対なの?」
俊之の母「そりゃあ、ねぇ」
俊之「大人って、何で、そうなんだろう」
俊之の母「ウチはまだ男の子だからいいんだけど、絵美ちゃんのご両親の事を考えると、やっぱり、ねぇ」
俊之「それは大丈夫だよ」
俊之の母「大丈夫って、どういう事?」
俊之「絵美の両親にも、ちゃんと話をしてあるから」
俊之の母「話をしてあるって、あんた」
俊之「だから、大丈夫だって」
俊之の母「まさか、失礼な事をしていないでしょうね!?」
俊之「生意気をするのも程々にって言われたけど」
俊之の母「まったく、子供のくせして」
俊之「大人はすぐ子供、子供って言うけど、子供にだって人格はあるんだぜ」
俊之の母「まあ、いいわ。とにかく避妊だけは、ちゃんとしなさいよ」
俊之「判っているよ」
そう言うと、俊之はシャワーを浴びに風呂場へ行った。
俊之はシャワーを浴び終えると、台所で夕飯を食べ始める。
そして、その途中で玄関のチャイムが鳴った。
俊之「絵美が来たみたいだ」
俊之の母「早く出てあげなさいよ」
俊之「おっかあ、出てよ」
俊之の母「まったく」
そう言うと、俊之の母は玄関へ向かった。
玄関に着くと、俊之の母は玄関の鍵を外して、ドアを開ける。
絵美「こんばんは」
俊之の母「いらっしゃい」
絵美「俊君、まだ帰っていないんですか?」
俊之の母「今、ご飯を食べているのよ」
少し申し訳なさそうに俊之の母が言った。
絵美「もうちょっと、後にすれば良かったかな」
俊之の母「そんなの気にしなくていいわよ。とにかく上がんなさい」
絵美「はい。お邪魔します」
絵美は俊之の母について、リビングまで行った。
俊之の母がリビングから、台所で夕飯を食べている俊之に声を掛ける。
俊之の母「絵美ちゃん、来たわよ」
俊之は台所から、リビングに居る絵美に言う。
俊之「先に俺の部屋に行っていて」
俊之の母「だって」
絵美「うん」
そう言うと、絵美は一人で俊之の部屋へ行った。
俊之の母は台所に戻って来る。
俊之の母「あんた、いつまで食べている気?」
俊之「仕方がねーだろ。一日、働いてきたんだから」
俊之の母「そりゃ、そうだろうけどさ」
俊之「ちゃんとエネルギーは補給をしておかなきゃね」
そう言いながら、俊之は三杯目のご飯を食べる。
そして三杯目のご飯とおかずを綺麗さっぱり平らげると、洗面所へ行って歯を磨いた。
その後に自室へと向かう。
自室に戻った俊之はベッドとテーブルの間に座った。
絵美は俊之とテーブルを挟んだ向かい側に座っている。
俊之「なんか、ちょっと落ち着かないな」
絵美「そうだね」
俊之「でも、ちゃんと、やる事はやらないと」
絵美「うん」
俊之「そうしないと、一緒に居る資格が無くなっちゃうからね」
絵美「うん」
そう言うと、二人は勉強の準備をし始める。
今日は世界史の勉強をする予定だった。
そして二人は勉強をし始める。
時々、絵美が俊之に訊く。
俊之は絵美に訊かれた事に対して、教科書には載っていない様な豆知識を織り込みながら、丁寧に教える。
俊之はいつも絵美が勉強をするところを先に予習をして、何か面白そうな情報を仕入れたりもしていた。
俊之は絵美にもっと勉強に関心を持って貰いたいと思っていたからだ。
その甲斐もあってか、絵美も勉強に対して、少しずつではあるが、積極性も出てきていた。
そして、まだ少しだが、俊之に頼らずに自分で勉強が出来る様にもなっている。
まだ一緒に勉強をし始めて、一週間程しか経っていない。
それでも以前とは、比べものにならないくらいに変わってきていた。
最初の二、三日は一から十まで全部、教えなければならない感じだったが、今は時々、訊かれた事を教えるだけになっている。
勿論、その訊かれる回数は、まだまだ多いのかもしれない。
でも、その回数も少しずつ、減らしていく事も出来るだろう。
そうする事で、俊之も自分の勉強の効率を上げる事にも繋がるのだ。
その為にも、とにかく最初が肝心だと、俊之は考えていた。
そして二人は時々、休憩を挟みながら、零時過ぎまで勉強をする。
俊之「は~、疲れた」
絵美「お疲れ様」
俊之「お疲れさん」
絵美「もう零時を回っちゃったね」
俊之「そうだね」
絵美「私、こんなに勉強をしたの、生まれて初めてかもしれない」
俊之「あはは」
絵美「そんなに可笑しかった!?」
俊之「うん。それより、お袋、そろそろ寝たかな?」
俊之はそう言いながら、床に耳を当てた。
俊之「寝たみたいだ」
そして俊之は一旦、立ち上がって、ベッドへ座り直した。
絵美「それで判るの?」
俊之「うん。静かだからね。もう起きてはいないはず」
絵美「そっか」
俊之「まだ寝付いているかどうかは分かんないけどね」
絵美「大丈夫なの?」
俊之「平気だと思うよ。寝室までは聞こえないと思うから」
絵美「そっか」
俊之「俺の部屋、リビングの真上なんだよね」
絵美「そうなんだ」
俊之「それより、早く、こっちに来いよ」
絵美「うん」
そう言うと、絵美は立ち上がって、ベッドまで行き、俊之の右側に座った。
すぐさま俊之は絵美を横たえる。
そして俊之は自分の唇を絵美の唇に重ねた。
数瞬の間、キスをした後、俊之が絵美に優しく声を掛ける。
俊之「可愛いよ。絵美」
絵美「ねぇ、早くぅ」
俊之「判ったよ」
俊之は再び絵美にキスをして、絵美の服を脱がしにかかる。
そして、そのままHに突入して、二人は一緒に果てた。
いつもの様に俊之は絵美にタオルケットを掛けて、絵美の横に寝転がる。
絵美「ねぇ」
俊之「何?」
絵美「私さ~」
俊之「うん」
絵美「どんどん、気持ちが良くなってくるんだけど」
俊之「そうなんだ。俺は変わんないかな」
絵美「そうなの!?」
俊之「うん。俺は最初から、すげー、気持ちが良かったから」
絵美「私は最初の時より、この間」
俊之「ふふふ」
絵美「この間より、今日の方が気持ちが良かった」
俊之「いいじゃん」
絵美「何が?」
俊之「だから、気持ちが良いんだったらさ」
絵美「そうなんだけどさ~」
そう言いながら、絵美は俊之のぺニスを握ってきた。
俊之「おい」
絵美「俊君のオチンチン、可愛い」
俊之「あはは。可愛いのか」
絵美「うん。今はね」
俊之「でも、そんな風にいじっていると、すぐ可愛いげが無くなっちゃうよ」
絵美「あはは。本当だ~」
俊之のぺニスはすでに勃起をしていた。
俊之「だから、言っただろ」
絵美「ねぇ」
俊之「ん?」
絵美「もう一回しよ」
俊之「そりゃ、責任を取って貰わないとな」
俊之はそう言いながら、絵美に覆いかぶさる様にキスをした。
そして、そのまま二回戦へと突入をする。
結局、二人は四回戦まで終えて、コンドームがきれたところで止めた。
もう朝まで、そんなに時間は無かったが、明日に備えて少しでも寝る事にする。
そして絵美は早々に寝付いてしまう。
しかし俊之は全然、眠れないでいる。
絵美の寝顔を見ていると、とても幸せに感じて、眠っている場合じゃなかった。
正直、肉体の疲労は残っている。
それでも、全然、眠くならないのだ。
そして結局、俊之は朝まで一睡も出来なかった。
朝になると、絵美を起こさない様に、そっとベッドから下りて服を着る。
そして足音をたてない様に、ゆっくりと階段を降りて、一階へ行く。
風呂場へ行って、シャワーを浴びる。
台所では俊之の母が朝食と弁当の支度をしていた。
シャワーを終えた俊之が台所へ来る。
俊之「おはよう」
俊之の母「おはよう」
俊之「絵美の分も作ってくれている?」
俊之の母「当たり前でしょ」
俊之「そか」
俊之の母「それより、絵美ちゃんは、どうしたの?」
俊之「まだ寝ているよ」
俊之の母「それじゃ、今の内に言っておこうかしら」
俊之「ん!?」
俊之の母「絵美ちゃんって声が大きいのね」
俊之「え!?聞こえちゃっていたの?」
俊之の母「あれだけ大きいと、さすがに、ねぇ」
俊之「そっか」
俊之の母「おかげで全然、眠れなかったわよ」
俊之「悪ぃ」
俊之の母「それに、あれじゃ、きっと、ご近所さんにも筒抜けだわよ」
俊之「ははは」
俊之の母「ご近所さんと顔を合わせるのが恥ずかしいわ」
俊之「近所って言ったって寝ているべ!?」
俊之の母「昨晩はそうでも、あんた達、その前に二回程、しちゃっていたんでしょ!?」
俊之「そっちの事か」
俊之の母「それも、私が帰る前だろうから、夕方だよね」
俊之「うん。本当にごめん」
俊之の母「済んだ事を言っても仕方がないけど」
呆れ顔で俊之の母が言った。
俊之「それより、勝手口のスペアキー、あるかな?」
俊之の母「どうすんの?」
俊之「絵美、起きそうもないから、帰る時に戸締まりをしておいてと、書き置きをしておこうと思って」
俊之の母「起こせばいいじゃない」
俊之「いいじゃん。もう身内みたいなもんだし」
俊之の母「身内って、あんた。そんな風に言うのは、まだ早いわよ」
俊之「そりゃ、そうかもしれないけど、真剣な交際をしているんだから、別に構わないべ!?」
俊之の母「まったく。そこの引き出しに入っているんじゃない!?」
俊之は言われた引き出しの中を探す。
俊之「あった。サンキュ」
俊之はリビングに行って、メモを書き始める。
先ず、スペアキーを置いておくから、帰る時に戸締まりをする事。
それから、朝食の用意をしてあるから、食べたかったらどうぞ、という事。
そして、シャワーを浴びたかったらどうぞ、という事と、シャワーの使い方について。
最後に、今日の勉強は休む、という事。
以上の事を書いたメモとスペアキーを持って、俊之は自室へと戻った。
そして静かにメモとスペアキーをテーブルの上に置いて、再び台所へ行く。
俊之の母「あんた、今日は何時に出んの?」
俊之「一応、九時頃まで、絵美が起きるのを待ってみる」
俊之の母「そう」
俊之「そんじゃ、飯が出来たら呼んで」
俊之の母「はい、はい」
俊之はリビングへ行って、テレビでニュースを見始める。
数分もすると、朝食の用意も整い、俊之は母と一緒に朝食を済ませた。
その後、俊之は再びリビングに戻って、テレビでニュースの続きを見る。
俊之の母は洗濯物を干しに行った。
洗濯物を干し終えると、俊之の母は慌ただしく出掛ける準備をして、幾らもしない内に準備も整う。
俊之の母「それじゃ、お母さん、先に出るから、後は頼むよ」
俊之「はいよ」
そして俊之の母は仕事へ出掛けた。
俊之「行ってらっしゃい」
そして俊之は九時頃まで絵美が起きるのを待って、絵美が起きて来なかったので、仕事へと出掛ける。
天気は晴れていたが、空の彼方に見事な入道雲が浮かんでいた。
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