元闘牛士の男が、少女を救う。言ってしまえばそれだけの物語なのですが、全体に漂う寂寥感と死に臨む主人公の厭世観とが作品の質をぐっと盛り上げています。魔物とは何なのか。主人公は現在どういう肩書なのか。多くを語らないがゆえに、作品に引き込まれていきます。主人公が『一握りの善良』を行った後に、得られたものとは。必見です。