第16話 カクヨムコンテスト考察(前編)

 この度、第1回カクヨムWeb小説コンテストの受賞作発表があり、カクヨムのサービス開始当初から行われていた最初のイベントが終了致しました。


 残念ながら私の応募作品は受賞を逃しましたが、ちょっとしたお祭りに参加したようで面白かったです。応援して下さった方々に、厚く御礼申し上げます。


 さて、折角なので最終選考まで残っていた身として、このコンテストがどういう審査基準に基づいて行われていたのかを考察してみたいと思います。



1.受賞作の審査はいつ頃行われたのか?


 これにつきましては、あくまで推測でしかありませんが『1ヶ月ほど前』には結果が出ていたものと思われます。


 そう思う理由は2つほどありまして、まず1つ目は『PVの変動』です。私が応募していた作品『Cのクオリア』は章分けが細かい事もあり、1話から新規で読む人がいるとPVの変動で何となく分かっちゃうんですよね。そして最後まで読んでくださった方は、評価をポチってくれるかレビューを書いてくれる事が多いみたいです。ありがたやー。


 だけど、作品を短時間で全部通して見たけど足跡は残さないという方が5月の中旬くらいに居られました(1人か2人?)。それを見て私は、これは審査員の人かな? ひょっとして一般読者と同じ手順で読んでいるのかな? と何となく想像していた訳です。もし審査員がPVに影響する形で審査していたのなら、恐らくこのタイミングで閲覧されたのではないでしょうか。


 2つ目の理由は、5月31日に『受賞作品は6月23日頃に発表』というアナウンス記事が公式から出ていた為です。多分この記事はコンテスト関連の過去記事として、今でも閲覧できると思います。


 そしてその記事には『当初予定していた大賞以外にも、特別賞として書籍刊行を検討している作品が多数ありましたため、現在その調整を行っております』という情報が含まれていました。


 ミステリー作品をよく読む方は一瞬で洞察なされたかもしれませんが、この5月31日の記事にて『当初予定していた大賞以外にも、特別賞として書籍刊行を検討している作品が多数ありました』と書いてあるということは、既に「公式側での作品選考は終了している」って事なんですよね。そして今はどこから出版するかとか、作者に情報を勝手に公表するなと伝えたりとか、その辺の根回しをしているという事です。


 因みに私は、この記事を見た瞬間に「ああ、私の作品が受賞することは無いな」と確信しました。念の為に記事を読んだ後で、登録しているメールアドレスを確認しましたが、カクヨムさんからの問い合わせ的なものは特にありませんでした。


 私の作品が落選することはもう一つ別の根拠があって既に予想していたのですが、こうして受賞作品の発表前に『語るに落ちる記事』を公表されると、折角のドキドキ感がなくなってしまうんですよね。物書き相手にあの記事はマズイでしょう。そもそも応募者にドキドキワクワクさせる意図さえ、無かったのかもしれませんが。うぅむ。他の最終選考で落選した作家さんもあれを見て随分ガッカリしたんじゃないのかなぁ……。


 話をまとめると『受賞作の審査はいつ頃行われたのか?』については、『1ヶ月ほど前(5月中~下旬)』には選考は終わっていたと推測しております。



2.主な受賞基準は何だったのか?


 これについて私は予め、他のweb小説大賞を参考に『20作品強が受賞する』と予想し、そして通過作品の評価状態から見て『評価150以上』程度で、『不正票の少ない作品』が『ほぼ順当に』受賞するだろう、という想定をしていました。


 web小説の書籍化は、既にある『作品や作者の人気を換金する』という意味合いが強いので、評価は低いが内容が良いという理由で拾われるのは、余程いい作品じゃないと無理だと思います。


 私の作品の話をすれば、評価が100前後。内容的にもちょっとマニアックな人(SFや哲学や科学に理解があり、特定作品に精通し、緩い雰囲気も受け入れられる人)向けだったので、私が商売として審査する編集者だったらこれは推せないかな、という自覚がありました。少なくとも私の作品が落選した事に関しては、妥当なのではないでしょうか。


 23日に発表された作品を見る限りでは、私の想定はある程度当っていたようでして、大賞間違いないだろうという作品は大賞に落ち着いていていました。そして一部の実際に面白い作品や、評価とPVがやたら高い作品が入賞していました。


 さて話をまとめると、主な審査基準は『読者からの支持(評価)を得ている事』、これが第一。その上で『1つの作品として整備されている事』だったような印象です。正直読者選考の段階でほぼ決していた感はありますね。



 長くなったので、後編へ続く。

 後編は明日にでも。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る