第3話 運営さんがんばる

 先日、『限られた椅子の数』の話をしましたが、運営さんがこの問題について真面目に考えて対処してくれているようです。今回はその手法と目的について考察してみましょう。

 まずはこれ。


・フォロー数の上限設定


 1アカウント辺りのフォロー数の上限を500とする事によって、お返しフォローとお返し評価を狙った裏技の効果が大幅に縮小したようです。また、一日50件がフォロー数の上限ともあるので、『フォローしてお返し評価をもらっては消して、フォローしてお返し評価をもらっては消して』という、新たに追加された裏技にも一定の歯止めがかかると予想されます。


 また、そういう手法を繰り返していると運営さんから警告や、アカウント停止などの厳しい処置も取られるそうなので、善良な作家さんは今後ともフォローシステムを常識的に使って行く事が望ましいでしょう。

 次にこれ。


・ランキング非掲載処置


 ランキング非公開の集中期間中に、不自然な行動を重ね過ぎたアカウントについては、『状況が改善されるまで、ランキングから除外する』との事です。


 ある情報によると、3日以内に不自然なフォロー数を解除しないとアカウントを停止するぜ、的なメールが着たとかなんとか。フォロー数を解除したら復帰できるらしいので、それまでに得た評価はどうするの? という疑問は少し残りますが、運営さんは一応頑張って対応してくれているようです。

 次にこれ。


・第1回カクヨムWeb小説コンテストの読者選考期間延長


 応募数が予想以上に多かったことを考慮して、読者が出来るだけ多くの作品を読めるようにと、1週間程度、具体的には4月7日23:59まで選考期間を延長するそうです。


 これによって出遅れた作家さんが、新たにスポットを浴びて巻き返すチャンスが増えたと思います。競馬に例えると、逃げ切り、先行が少し息切れしやすくなり、差し、追い込みにチャンスが増えたかもしれません。


 何故なら、一度ランキング上位を読んだ読者は、同じ作品を何度も評価しません(連載中は除く)。次へ次へと目立たない作品へと目を向けていく事でしょう。すると必然的に、日の当たらない作品に目を通す割合が増えてくるので、隠れた質の高い作品にとって少し有利になる訳です。今は日陰に入っている作家さんも、ちょっとだけ前向きになれるかもしれません。


 そして、最後にこれ。


・ランキングページに表示する小説の件数を30件から100件に増やしました


 『限られた椅子の数』問題について前回触れましたが、今回の運営さんの対応は、30席用意されていた『個別の椅子』を、100人くらい並んで座れる『長椅子』に変更した形だと思います。


 どうしてもランキング上位が目立つ事に変わりはありませんが、作品を探そうとする読者が、もっと広く作品を見渡せるようになったので、格差がマイルドになった印象です。



 さてさて総括すると、これらの処置が極々短期間のうちに考案され、実行されたことを考えると、個人的にはカクヨムの運営さんはよく頑張っている方だと思います。


 勿論、最初から完成したシステムを提供してくれという思いはありますが、失敗は誰にでもある訳で、トライ&エラーによって少しずつ良くなっていけば、失敗は成功に至る過程として有意義なものになるでしょう。


 とりあえずコンテスト期間も延びたことですし、日の当たっていない作家さんはもう少しポジティブになって、いい作品を書いたり、探したりしてみてはどうでしょうか?


 私も引き続き、面白い探しを続けます。


 それでは機会あればまた後日。 ノシ

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