恐怖奇形人間

※私のブログの2007年12月30日の記事の転載で、文中の「この作品を輸入品としてしか見れないっていう現実」は当時の状況で、現在は変化してる可能性があります。


乱歩の「孤島の鬼」「パノラマ島奇談」をモチーフとするカルト映画です。ラストで笑撃のオヤジギャグが炸裂します。デタラメにしてエンターテイメント、自分勝手にして、かつ、商品としてきっちり成立している、そんな作品です。


一見、ムチャクチャに見えますが、実は、成熟した資本主義社会で自分の夢に溺れつつ御飯を食べていくとしたら、こういう路線以外ないんじゃないの?、という気も、冷静に考えるとしてきます。


だって、ねぇ?、想像してみて下さいよ。この作品を完成させるまでに、何人もの大人が、それを「仕事」として動いて、実際、完成して、劇場公開されて、誰かのお給金を叩きだしているわけですよ?。なんだってアリって気がしてきませんか?。いや、まぁ、今現在「大人」と呼ばれている人はそんなこと百も承知なんで、改めていうまでも無いでしょうが、年若い人達は変に現実世界を重く考えすぎている気もするんで、敢えて言わせてもらうと、やっぱり、世の中、何でもアリで、やったもの勝ちだと思うんです。


ところで、この作品を輸入品としてしか見れないっていう現実、それははっきりあかんやろ、と思います。芸術が云々じゃなくて、経済倫理に照らしてNGでしょ。金のためなら自分の娘にTバックはかすのが現世の論理でしょ(まぁ、売春宿に売り飛ばすわけではないんだし、許容の範囲内の話よね)。それでこの程度の作品プレスしないってのは絶対おかしいでしょ。韓国人に対する侮蔑的な発言が不特定多数の見る掲示板にわりと簡単にのせられる一方で、「何が日本の象徴だ 何にもしねぇでふざけんな」って歌うのに気を使わざるを得ないってのは、なんかイビツだと思いますよ。「チョン」って呼ぶのと同じぐらい気軽に「天皇は猿だ」と歌えてこその自由主義経済でしょ。


いや、経済は関係ないですねw


※「何が日本の……」はアナーキーの東京イズバーニング(クラッシュ「ロンドンイズバーニング」に日本語歌詞をつけたもの)の一節。レコードでは「象徴」のあたりにピー音がかぶせられている。「天皇は猿だ」はスターリンの自主制作LP「トラッシュ」収録曲にあるくだり。このくだりと、「オマンコ」という語があるせいか、「トラッシュ」はいまだにメジャーからのCD版再発がないが、収録曲の多くはライブアルバムなど聴くことができ、萩原恭次郎あたりの大正文学的で古風な文学臭を持つ作品「電動コケシ」などは佳曲。「電動コケシ」は初期のフォークソング風アレンジ版も乙だが、現在入手可能かどうかは不明。

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