四部屋

それは

やっとめざめたときで

もっとたかく

あがらせてくれるのなら

一部屋をあけわたそう


めざめたときと

おなじたかさに

してくれるのなら

このここちぜんぶわたしてあげよう


それとも低く

足を胸にしてくれたら

ふた部屋を渡そう


あぶらだこ「四部屋」

作詞:長谷川裕倫


難解な漢語のひしめくあぶらだこの歌詞の中にあって、この歌詞は、なまじ普通な口語が並ぶためにかえって凶暴に訳がわからないという珍品です。この歌詞が、最終的に、


これが最後の三部屋

それは

やっと目覚めた時で

部屋が

部屋が見えてくる

見えてくる

見えてくる

見えてくる


と結ばれてしまう時、聴き手としては「その見えてきた四部屋目を投げ出されたままで聴いてるこちらにどないせちゅうねや」と途方に暮れて敗北感に浸るしかないという。。。まぁそういう、20世紀後半以降のポピュラー音楽の歌詞を語ることの不毛さを如実に思い知らせてくれる怪作です。

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