「絶望」
絶望のサバイバル(1)
18
ある日の森の中――そこにいたのは少年少女たちだった。
日下部うらら、楠虎宇、海堂樹、京終莉玖、猫草梓。以上5人。
「さて、これからどうしましょうか」海堂がまず始めに話を切り出した。「とりあえず、俺は黒神と合流したい」そして楠がそう返す。
「そうだね。黒神くんなら何とかしてくれるかもしれないし」京終がそう言うと、「白夜くんばかりに頼ってちゃ駄目だ! 自分の身はまず自分で頼るんだ」 と、日下部が返した。
そのまま五人は話し続けていた。退屈と恐怖を紛らわすために。
五人は歩き出す勇気が振り絞れず、冷たい森の地べたに座り続けていた。
「私おなか空きました……朝から何も食べてないですし……」しばらくして、猫草がこんな事を言った。
確かに彼らは昨日からろくなものを食べていない。食糧も飲み物も何も無い。
怪物たちには大量にあるのに何故自分達が。彼らは心の奥でそう思っただろう。
「……バチが、当たったのかも知れねえな」
「…………」
楠がぽつりとそう呟いた。
そう、あの時、皆がボートクルージングへ行っていなければ――こんな事にはならなかった。と。彼らの後悔はさらに深くなっていった。
五人は、その口をしばらく開けなかった。いや、開けられなかったのだろう。
ただうなだれるしかなかった。ただ黙るしかなかった。
――ただ涙を流す事しかできなかった。
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