怪奇
@pomel1204
第1話
「ねぇ、聞いた?またこの街で行方不明者が出たらしいよ」
「あ!それ知ってる今月で7人目だよね」
この街では最近行方不明者が相次いで起こるという事件が起きている。
このまちの名はからくりもの街。首都圏から電車で約2時間、都会か田舎かわからない中途半端なまちである。 だが、このまちには古い言い伝えがある。それはこの街にはかつて”魔の者”と呼ばれる異形の者が巣食う街であった。だが、それはある者たちの集団によって滅ぼされた。その者たちの名は”陰陽師”と呼ばれる者たちであった。
「おい、明も聞いたか?この間の失踪事件」
「何回も聞いたよ、お前、その話するの今日で何回目だよ…」
「いや、これは明らかに人間の仕業ではないな! これは調査すべきだと思う!
明、お前も行くぞ!!」
「はぁ?なんで俺もついていかなきゃダメなんだよ??そんなの一人でやればいいだろ?」
「別にいいだろ、お前とは中学からの仲なんだしー お願いだよ〜あきらく〜〜ん」
「そんなこと言って、遼、お前本当は一人では怖いんじゃないのか〜(笑)」
「な、ななな、何を言っているんだ、
お、俺はビビってないし、、」
「はぁ〜、声が震えてんじゃねかよ、」
「ま、まぁ、お前がいかないのであればべ、俺も行く理由がなくなるしなぁ、、」
「おい、お前が行くぞっていいだしたんじゃねぇかよ」
「はて、ナンノコトカナ??」
「はぁ、勘弁してくれよ」
このやる気のなさそうな人間の名は清平明。
どこにでもいる普通の高校生、
成績は中の中、運動神経は上の下、
ステータスが微妙すぎる人間である。
だが、ちょっとした正義感は本人曰くあるらしい。
学校が終わり学校で友達としゃべっていて日が沈んでしまった。
帰る頃にはあかりは無く、自転車のライトを頼りに進んでいる。
「ったく、遼も変なことに気をとられて何言ってんだか、あの後も失踪の話をしやがって、軽く5回は越してたぞ。」
今日の話の不満をぶっぶつと言いながら、明は自転車のペダルをこいでいた。
ペダルをこいでいた明だが、ある場所で足を止めた。そこは7回目の失踪事件が起きたからくり西公園だった。
「夜だからかわかんねぇがなんか、嫌な雰囲気かもしだしてんなー、」
明は嫌な雰囲気に押され、早々に自転車をこぎ始めて、公園を後にした。
公園を過ぎてからちょっとしたとこで信号に引っかかった。
「しかし、なんであの場所は変な感じがしたんだろう」
あの場所を通り過ぎたからか、明もその不思議を考えていた。
「まさか、遼の言ってた人間じゃないなにかだったりして… ったく、そんなわけねぇだろ。」
信号が青に変わり、自転車をこぎ始めようとした瞬間、
「きゃーーー!!!!」
女性の叫び声が聞こえた。
「な、なんだ!?」
明は声の方向に自転車をこぎ始めた。
怪奇 @pomel1204
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