第二話

【夜空のヒーロー】

 つばさ烈斗れっとは子供の頃から親の影響でヒーロに憧れを抱いていた。

 小さな頃から、日曜の朝にはヒーロー番組を見せられ、さらには全世界のヒーローのスペックを暗記させられた。

 昔、父がいなくなった書斎を漁っていた時にある雑誌を見つけた。

 有機ELディスプレイに表示された『時のコウモリ』の文字。そして下には、父である真汰しんたの名前が表示されていた。

 父がまだ家にいた時は、父がブラクスの平和を守っていた。

 と、言ってもただ人助けをしたり、様々な事件を解決していただけなのだが。

 5、6歳くらいの時のことだろうか。父が未来に帰った。

 父が消えた日の前日ーークリスマスイブの夜、父は言っていた。

「私は、お前の父であり、孫でもある。だから、あまり強くは言えないが、地球テラを守ってくれ」と。

 未来の世界で父はタイムバットレンジャーというヒーローらしい。

 私はその時家族構成に驚いていた。しかし、今考えると未来にまだガルスがいる、というのはもっと驚く。

 ガルスが、なぜ生まれたのかは知らない。が、烈斗の大切なものを奪ってからは、スーツを作り、防具を作り、ガルスを倒す活動を進めていた。

 闇に現れるガルスを闇の中で倒すことから、ネットではコウモリからバット1号と呼ばれるようになった。

 その後バット1号は仲間を作り、バットレンジャーになり、タイヤの形から生まれた暗黒タイヤンを倒すこととなるが、それはまた後の話。

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