第3話 好きなモノ

 小説を書いていて、ふと気付いたことがある。それは、

 自分の好きな物を思いのままに登場させることができる。

 ということである。

 例えば登場人物が口にする食べ物や飲み物、愛用するモノまで何でも自由にできるのだ。

 なんて楽しいんだろう。。。


 でも、最初からこのことに気付いていたわけではない。

【嘘つけ、あるじゃんか】

いや、あるとすれば複数いる主人公の1人倉田昇護が乗る海上保安庁のヘリコプター、ベル212型くらいである(汗)。【確かにそんなもんだ】

 ま、それは設定する上での話なので、好きな物をメインに描きたいのは有りだと思う。興味のない世界を書いても何も伝えられないし、苦痛でしかない。と思う。やるからには目的が必要だ。


 さて、では何故それに気付いたか?について考えてみた。

 こんな楽しいこと、やるなら最初からやっていたはずだ。


 最初の作品「尖閣~防人の末裔たち」を片手に小説を書き始めた頃を振り返ってみよう。。。

 何が出てくるか、いや、当時の私は何を出したか、、、35mmフィルムのフルマニュアル一眼レフカメラが早々に登場する。昔憧れのだった機種と今も持っている機種の派生型だ。腕は悪いが学生時代に写真部長までやった頃を思い出す当時からの愛機。。。

 そして煙草。しかも主人公の古川は赤ラークである。ああ、そういえば当時は煙草、吸っていたっけな。。。禁煙してから1年になり、今は吸いたいとも思わないが、、、赤ラークは強い煙草だ。普段は弱めの煙草を吸っていたが、様々な横槍や突発事態で、計画していた仕事がうまく回らなくなると、このラークシリーズ最強の煙草を吸ってストレスから解放されようとあがいたものだ。【今は、煙草が飴に変わっただけだろ】

 ちなみに古川が、禁煙が出来るかも。。。と思った場面を描いていた頃、私は禁煙生活で苦しみの真っ只中だった。

 登場する「はつゆき」クラスの護衛艦は、体験航海で同型艦「みねゆき」に乗せてもらった。

 昇護の恋人の愛車としてホンダのNBOXという軽自動車を登場させているが、色もグレードも異なるが妻の愛車がNBOXだ。

 そうなると、私の作品を読んで下さった方は思うかもしれない。

「じゃ、ジムニーは?」

 と。。。

 そうなんです。ジムニーは私の愛車なんです♪

 しかも現行型ではなく、箱型の旧シリーズ。学生時代に祖父が乗っていたジムニーを借りて乗り回しているうちに、ジムニーにハマり、今乗っているジムニーは3代目である。しかも今まで私が乗ってきたジムニーは全て旧式の角ばったジムニーである。

 ジムニーといえば【はいはい、長くなるのでここまでね。】

 ま、またの機会にジムニーについて語りたいと思う。

 茨城県がどうしても出てくるのは、茨城に住んでいて茨城が好きだからである。。。もし、、、もしもですよ、私の作品が話題になったりしたときに、あるいは、日の目を見なくても読者の「あなた」そう、そこの「あなた」の目に留まり、ちょっとでも興味を持って茨城県を訪れてくれたら嬉しいな。。。という思いでどうしても出してしまう。


 少々脇道にそれてしまったが、、、そう、ポイントは、そこなのである。

 私が、作品に登場するモノについて語ると、脇道にそれやすい。つまり、脇道に逸れやすくなるほど語れてしまうほど知っているのだ。言い換えれば、私が実際に見たもの、使っているもの達の中でも愛着のあるものが多い事が分かった。これなら自分の心に確実にイメージできる。

 愛しいアイテム達とお気に入りの場所。。。小説を書き出したばかりで文章力の稚拙な私が、読む人の心のキャンバスに、私が伝えたい景色、感覚を描いてもらおうと拘(こだわ)った結果がこれなのである。

 小説を書くための私の心掛け。。。それは小説を描(か)くということ。その原点が、自分が確実にイメージできるものをいかに文章にするかだったのである。。。それに途中で描いている気付いた。

 と、いうことは。。。自分の好きなものなら、、、

 いくらでも描写出来るのではないか?

 どんな切り口からでも描けるのではないだろうか?

【そりゃあ、上手けりゃね】そう、もちろん文章力があれば、の話である。私には無理かも知れない。。。が、描く上で、この上なく経験が上がるのではないか?


 だって、

 

 好きなモノを

 好きなだけ

 好きな時に

 好きな状態に


 描ける


 どんな時にも好きなモノに向き合っているときの私は、楽しみながらも妥協をしない。【普通そうでしょ】


 ということは、好きなモノを登場させることで描写に妥協がなく、夢中で描いているうちに上達するのではないか。と。。。


 扱うモノの「一挙手一投足」まで文章で表す描写は、断然文字数が多くなり、物語を紡ぐのを遅らせる。。。作文が嫌いだが、それでも「小説を書いてみたい」という、自分の力に半信半疑だった私はすぐに挫折していただろう。【そうだよね~、それに私は雑だから、すぐに面倒になっちゃう。】

「あ~、やっぱり俺は書くのが苦手だ。」

で終了していたに違いない。


 今では、自分が思い浮かべた情景をキーボードを通して描いている時、いつの間にか読書をしているのと同じ様な感情になっている。【トランス状態?】

 ま、それについては、別の章に譲るとしよう。


 これが吉と出るか、凶と出るかは、、、

 今後に御期待下さい。と読者の皆様にはいうしかないけれど。。。今しばらくは、狭い「飛樹ワールド」を共感していただけたら幸いである。その狭い世界は、私の努力と共に広がっていくはずだから。。。【ハズ、で終わらないように頑張ろうね。自分!】


 文章が書くのが苦手な人、書きたいけど自信がない方は、試してみてはいかがだろうか。

 好きなモノの事なら案外書ける。

 ということを。。。

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