WATER「海の底から私は想う」
命を生み出すは海水。
深い、深い暗がりの中を。
踏み締めながら、歩んでいく。
誰かのためでなく、自分のものでさえないのに。
その歯車となることを強制された憐れな子羊たち。
人が、永劫愚かでありますように。
いと昏き、いと碧き深淵の底。
今日も絶望が降り積もる。
白く、純白いその思い。
ああ、なんと美しい。
成功で歪むことなく。
栄光で捻じれることもない。
満足など、人に過ぎた代物だった。
欲望など、人には抱えきれないと。
終わりなき刹那の螺旋に囚われし呪い。
ああ、暗闇を歩む者よ。
ああ、夢を映すものよ。
いずれ最果てへ、至りたまえ。
全てこの世は、流水の如く巡り来る。
祈りは、天にとけられる。
願いは、地にくべられる。
捧げよ、深き紺碧へ鎮め。
我らへの慈愛の返答を、我らへの怨嗟の返答を。
ああ、我らが母に、祝福あれ。
ああ、静寂なる深淵の最果てに、永久なる安らぎあれと!
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