大切なのは

猫城

大切なのは

「うー…さみっ…」

外に出ると雪が降り始めていた。

「雪か…道理で寒いはずだ…」

「なぁにしてるのかなぁ?」

後ろから誰かにいきなり服の中に冷たい手を入れられた

「つめたっ!お前いきなり何してんの?」

後ろを向くと自分の彼女がいた。

「いやー、君が何か考えながら上向いてたからさー♪」

「それで服の中に手を入れるのかねぇ?」

俺は彼女の頭を掴み………思いっきり力を入れた

「え、ちょっ!ギブギブギブ!わかったから!私が悪かったから!」

彼女は涙目になりながら謝り始めた。

「酷くない?仮にも彼女の頭を潰そうとする?」

「悪かった悪かったって」

「まぁいいけどさぁ…で?何考えてたの?」

彼女は背けてた顔をこちらに向け聞いてくる

「いやーお前と出会ってなんか変わったかなーって考えてた」

「君は変わったよ、出会った時よりも笑うようになったよ」

「そっか…」

「まぁ、変わっても変わらなくても私は問題ないと思うよ」

「…なんで?」

「だって変わっても変わらなくても君は君でしょ?私は出会った時の君も今の君も全部含めて好きなんだから。大切なのは君が君であるということだと思うよ」

「そういうもんかねぇ?」

「うん、そういうものだよ」

「そっか」

「うん」



……雪が降り積もる夜道を俺は彼女と離れないように手を繋ぎながら帰路についた

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大切なのは 猫城 @kojyobooks

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