【03】街外れの森にて
少女「このあたりかなぁ?」
少年「少女ちゃんは結局木刀なんだね……」
少女「お気に入りだもん!」
少年「あげた身としては感無量だね……あっ、あれ」
鳥「……」
少女「いーち、にー、さぁん……ちゃんと六匹だね……あれ?六頭?六羽?」
少年「そこはどうでもいいよ。寝てるのかな?」
少女「今のうちに襲っちゃう?」
少年「卑怯な気がするけど……。とりあえず起こさないようにゆっくり近づこう」
バババッ
少女「えぇええい!!くらえぇぇえええ!!!!しゃーいにーんぐ!ばーぁにぃーんぐ!すらぁーっしゅ!」ダッダッダッダッ
少年「うん!!少女ちゃん、ぼくの話聞いてないね!!!!というかその技名はダサいよ!」
〈少女の攻撃!木刀がペリュトンBにヒット!7ダメージ!〉
ポフッ
少女「……!切れないっ!?」
少年「うん、木刀だからね」
鳥「ム、ムォオオオオォオオオオ」
少女「……起きたよ」
少年「仕方ないなぁ」バッ……チャキン!
〈少年の斬撃!地面に剣を振り卸す!〉
ドォンッ!ドォンッ!
鳥「ム……ムォ?」
少女「!?!?」
少年「威嚇だよ!少女まで混乱しないで!こっちに来るんだ!」
少女「う、うん!少年くん、その大剣、ちゃんと使えたんだね!すごく重そうだから飾りかと思ってた!」ダッダッダッ
少年「何気にひどいこと言ってるね……。重そうじゃなくて重いんだよ、これ。流石に筋力だけじゃ無理だったから浮遊魔法も使って扱ってるんだ」
鳥「ムォオオオンッ!!!」
〈ペリュトンたちの突進!少女と少年を追いかける!〉
少女「八刀流の練習もムダじゃなかったんだね!」
少年「まだ諦めてないけど……ねっ!」
ドォンッ!
〈少年の攻撃!ペリュトンEが剣の腹で吹き飛ばされる!58ダメージ!〉
少女「少年くん!後ろ!」バッ
〈少女の攻撃!木刀がペリュトンFを押し退ける!3ダメージ!〉
少女「……見間違いだと思ってたんだけどなぁ……5ダメージとか3ダメージってどのくらい?」
少年「……スライムなら倒せるかな」
少女「そっかぁ……少年くん、一人で六匹倒せる?」
少年「ちょっと……無理かな……」
少女「……逃げない?」
少年「奇遇だね。ぼくも同じこと考えてた」
「「いやぁぁああああああ!!!!」」ダダダダダダ!!!!
「……間に合った」
〈眼鏡の魔法攻撃!全体中級火炎魔法!ペリュトン全体に273のダメージ!〉
鳥「ム,ムォオオオオ……」バタッ
〈ペリュトンたちは力尽きた!〉
眼鏡「……焼き鳥の出来上がり」メガネキランッ
商人「だぁーかぁーら、止めたんだがな」
少女「……へ?眼鏡ちゃん?商人さん?」
眼鏡「…ばか」
少年「あ、ありがとうございます!」
眼鏡「……お礼より、先に、謝るべき。もう少しで死ぬところだった」
少女「そうだね……商人さん、言いつけを破ってごめんなさい」
少年「ぼくも、すみませんでした」
商人「……二人が無事だっただけよしとするかぁ」
◆
少年「どうしてぼくたちがこっちに来てるってわかったんですか?」
眼鏡「……森から魔力を感じたから」
商人「こうなりかねないとは思ってたからな。眼鏡が魔力の発生に気づいてからすぐにこっちに向かってツルギさんに聞いたら案の定、って感じだな」
少年「ツルギさんにペリュトンがどこにいるか調べてもらったときか……」
商人「とりあえずこれで全部なんだろ?街に報告しないとな」
少女「ところで、あのペリュトンの焼き鳥は食べられるの?」
眼鏡「……食べられない。ヨモツヘグイ」
少年「そもそも少女ちゃん、食べられるなら食べるの……?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます