【02】商店にて

少女「ってことで何が足りないのかな……」


少年「薬草のこともあってか少女ちゃん、街の人の間では"頑張ってるね!"ってよく噂になってるみたいだけどね」


少女「うへへ、照れますなぁ……でもツルギさんが抜けないってことはまだまだなんだよね……」


眼鏡「……守りたいものとかじゃない?」


少年(適当に言ってそうだなぁ)


少女「なるほどぉーーー!それ!それだよ眼鏡ちゃん!わたしには守りたいものがなかった!!!!なるほどぉーーー!」


少年(感銘受けまくってるなぁ)


少女「でも何を守ればいいんだろ?」


眼鏡「……世界とか?」


少年「スケール大きすぎない?」


眼鏡「……ピッチャーマウンド?」


少年「野球は当分やらないよ……多分……」


少女「私が守りたいもの……守っているもの……守れるもの……かぁ……」


少年「迷宮に迷い混んだなぁ」


商人「とりあえず形から入ってみればいいんじゃないか?」


少女「かたち……?」


商人「なんかこう、勇者っぽいものをゲットしてみるんだ。剣とかな。そういえば少女、まだ木刀だろ?」


少女「お気に入りです!」ドヤァ


商人「……ここらだっていつ魔物が出るかわからないしな、普通の剣も一本持っておいて損はないぞ?」


少女「相棒なのに……あとお金が……」


商人「……そこで、だ」



少女「いらっしゃいませー!薬草や野菜、他所の街の魔導書などいろいろ売ってますよー!」フリフリ


少年(絶対バイト欲しがっただけだこれー!)


商人「へいらっしゃーい!安いよー!薬草が5Gだよー!ほら少年!品出しよろしく!」


少年「はぁーい……」


……


薬屋「少女じゃないか!……かわいい服着てるな!この前はありがとうよ!なんか買っていこうか……どれどれ……」


……


八百屋「お、少女ちゃん頑張ってるねぇ!なんだいその服?かわいいぞ!……あっ。少女ちゃんがかわいいのはいつものことだったな!がっはっは、さぁてどれどれ……」


……


「あ、あの子よ!ほら、薬がなかったときの!」


「きゃーかわいー!何あの服装!きゃー!」


「えっ?崖を登ったっていう?」


…………


少女(わ、わたしいろんな人に知られてるんだ……)


商人(売り上げが三割増……看板娘になってもらおうか……)



少年「この商店、魔導書なんかも売ってるんですね」


商人「魔導書は目利きが利く奴が同行者にいるんでね」


眼鏡「…………」メガネクイックイッドヤァ


少年「……なるほど。ところで少女ちゃんのあの服装はなんですか……?」


商人「メイド服だ……!メイドという城に従事する者の服装なんだが……素敵だろう……?」


少年「なるほど……」



商人「ほら、二人とも。今日のギャラだ!ありがとう!」


少女「ありがとうございます!」


少年「ありがとうございます」


商人「少女のおかげで今日は売り上げがすごかったからなぁ。そのギャラは弾んでおいたぞ。剣、買うんだろ?」


少女「うーん。……やっぱり私の次の相棒は、ツルギさんかなぁ……って……」


商人「あっはっは。そっか。まぁそのギャラは大切に使ってくれ」


「「はい!」」

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