抱き枕に、かつて初めて恋をしたかもしれない女の子の幽霊が憑依した。
この物語の内容を一言で表すなら、そんなところだろうか。
ふーん、そう。ちょっと捻ったラブストーリーね、はいはい。なんて、そう思った人は今すぐに時間を見つけて、このお話を読むべきだ。
何がすごいって、抱き枕に対する妄想と欲望、そして哲学と愛が凄まじい。二次元キャラでありながら、触れて抱きしめることの出来る形をもらった「嫁」についての考察が物語を通して伝わってくる。たとえば、不特定多数の男たちに抱かれることを存在意義として生み出される「嫁」に、ピュアな恋心を抱いてしまったら? 独占欲を覚えてしまったら? それは喜劇的な悲劇といえるかもしれない。なんなんだ、このセンチメンタルは。
この物語はどこへ向かうのか。
二人(あるいは一人と一つ?)のたどり着く結末が、気になって眠れない。
柔らかくてよく眠れる、喋らないタイプの枕が欲しいです! 先生!