幸せってなんだろうかと思う第9話

だんだん春になってたんだろうと思う。

入院棟というのは、いつでも25℃くらいに空調しているんだけど、窓からの太陽光なのか湿度なのか、体感温度が上がってきた。

私はもともと冷え性気味だし、体調も当然悪いので、とてもありがたい。

後は窓の外の風景に新緑とか増えてくれると、もっと気分が良くなりそうだね。


さてさて、幸せってなんだろう?(笑)

♪幸せは歩いてこない♪ から始まる有名な歌でもあるように、ボケーとしていてはダメそうな気がするね。

客観的に言って、今の状態はまあ幸せの正反対という感じだし(苦笑)


とはいえ、幸せとは難しいもので、何があれば幸せって決まってないわけだからね。

ホームレスでも幸せな人もいるだろうし、アラブの石油王でも不幸のどん底な人もいそうな気がする。

金があればいいのか、恋人がいればいいのか、たらふく食えればいいのか……?

と考えていくと、「今持っていないもの」を持てば幸せになりそうな「気がする」。


しかし、意外とそうでもないのかも。

フィクションの話になるけど、復讐譚というのは昔からある王道のストーリーだ。

主人公が最後に復讐を達成する話もたくさんあるけれど、あまりそれで満足したという話にはならない。

むしろ、余計に心が壊れてしまうとかいう展開もあったりするね。


結局、心の問題なのかもしれないな。

どういう状況にあっても、幸せだと感じる人は幸せだし、幸せと感じない人は不幸だ。

とはいえ、心を無理矢理幸せにするのは困難というか、不可能な話だからなあ。

薬物を使うとか、非人道的な方法はあるかもしれないけど……。


このあたりからは哲学とか宗教の領域なのかもしれない。

日本人は自称無神論者、実際は仏教+神道のライトな信者が多いので、熱心な信者というと新興宗教のイメージもあって、胡散臭く見られたりするのだが。

自分についていえば、寺や神社に行くのは趣味としては好きだけど、お経とかそんなものは詳しくない。

典型的日本人のつもり。


そんなわけなので、宗教論をしようにも、引き出しがなさすぎるな……(汗)

少し前に般若心経の現代語訳が流行った時があって、あれはかなり感動したもんだが。

あの翻訳の、つまるところ般若心経の教えも、心の持ちようで生きていきやすくなるというものだったはず。

これはひとつ、般若心経の解説本でも読んでみるべきかな。

元気があったらね(笑)


現在の私の気分について言うならば、思ったほど悪くないというのが続いている。

まあ、大いに幸せとまではさすがに言えないけれど。

過去を振り返って見るに、趣味なんかはわりと充実した人生を送ってきていて、海外も行きたい国はかなり制覇済み。

むしろ、国内のほうが面白いところに行ってないかもしれないくらいだ。

その他の趣味もしたいことをしてきたし、恋愛面もすごく充実とまではいかないけどまずまず想い出はあるしねえ。

友達も結構いるし、お見舞いにも来てくれたりするし。

現在強烈な夢を持っているわけではなくて、のほほーんと生きていたのが却って良かったのかもしれない。


まあ、死ぬのが怖いかどうかというと、怖くないわけでもないけど、想像力が低いのが幸いしているような気も。

ということで、こんな状況にしてはかなり幸せだと言えるのではなかろうか?

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