40日目

 夢を見ている。



 ――どこへも行けないように、繋いでしまおうね?



 七日間の、呪いのような、あの日々の夢を見ている。



 ――ボクからの、贈り物だよ。



 声が、ぐるぐると回って。



 ――かわいい、ボクのお人形さん。



 怖くて、怖くて。



 ――ほぅら、みてご覧?



 怖くて。



 ――ロゼアクンがいいの? ふぅん……。



 怖くて。



 ――だぁめ。……分かっているよね? ソキちゃん。



 怖くて。



 ――キミは



 ――ボクの



 ――モノだよ



 蒼褪めた、夢に囚われて。その日、ソキの意識が戻ることはなかった。



 ソキの旅日記 四十日目

(空白)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る