室内飼い2匹と外飼い1つ

@tukikaze

第1話 室内飼いのゆーちゃん

ゆーちゃんは室内飼いを約束して譲り受けた子である。

だから外に出すとはリード二本が必須だし、

玄関前の廊下には柵扉を設置して脱走を防止してる。


ゆーちゃんがお外に出れるのは僅か2パターン。

1.月一回病院に行くとき。

2.あたしの気まぐれで散歩に行くとき。


病院に行くときにも楽しそうに外に出るゆーちゃん可愛い。

病院の前に着いて、ただ扉を通るのを躊躇するゆーちゃん面白い。

いつまでも扉を通らないから、しかたなく抱き上げて入室する時の

ちょっと情けない顔と垂れた耳がどーしょーもなく可愛い。


ゆーちゃんと暮らすようになってわずか数ヶ月で引っ越した。

前のウチの時に掛かってた病院では一度注射をされた。

でもとてもいい先生だったから痛みもなかったのか声ひとつ上げなかった。

ただ病院のあるショッピングモールの前に着くと頑として動かなかった。

うん、この子は人混みが苦手なんだと分かった。

店内用のカートに乗せて、運んでる時も情けない顔してた。


こっちに来てからはまだ一度も痛いことされてないのに、

なんで病院を嫌がるかなー。


今の病院の先生もとてもいい先生。

シロート丸出しのあたし相手でもちゃんと話を聞いてくれる。

そんなあたし相手でもちゃんと色々相談に乗ってくれるし、

いろいろ教えてくれる。


あたしはゆーちゃんにとってベストな飼い主じゃないかもしれない。

でもあたしは例え手の掛かる子だとしても、ゆーちゃんが大好きだし、

大切な命だからずっと一緒に居たい。


種族の特性上、いつかあたしが見取る運命だとしても。

まだ其の時の為の心構えはできないけど、

あと10年以上は猶予ある筈だけど、

それでもあたしは強くならなきゃいけない。

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