幕間 2

とあるコンシェルジュの場合

 あの軍医に頼まれて、みなも姫様の飲み物に栄養剤を入れたけれど、普通にお薬を差し上げるのではいけないのだろうか?


 本土からの長旅でお疲れだからというのは理解できるが、わざわざ軍が黙って薬を盛るようなことは……いいえ、きっと何か理由があるに違いない。


 おそらく、お薬の形で差し上げたなら、もしかしたら飲んで頂けないかもしれないから……だろうか。少し気難しいお嬢様でもあるし……。やはり、あの形でお召し上がりいただくのがベストだったのだろう。


 戦巫女様、そしてイクサガミ様が万全のコンディションでお勤めが出来るよう、お支えすることがこの島の民の務め。――せめてこのホテルの敷地内におられる間は。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る