電脳戦線黙示録~War of The Apocalypse~

Win-CL

プロローグ [グラシャ=ラボラス]

プロローグ

 その戦場には、天使と悪魔がひしめいていた。


 長となる存在、【ルシフェル】・【サタン】を自分達の元へと迎え入れるための戦い。毎月末に陣営天使vs陣営悪魔で、百を越えたプレイヤー同士がぶつかり合う、オンラインMMO『War of The Apocalypse』の目玉イベントの一つ。


 ――アルマゲドン。


『……今の状況は?』

『んー。今は悪魔こっち側が押してる』


 自分の問いに応える声。全体の状況を監視している仲間のものだった。


 陣営の中は、更に悪魔の名を冠したグループに分かれており、その数は七十近く。それぞれが、その悪魔に沿った能力を持っている。


 戦闘に置いては右に出る者がいない、悪魔の王【バアル=ゼブル】。

 逆に戦闘能力は無いものの、回復役としての頂点である【フェニックス】。


 様々な悪魔グループがある中で、自分が選んだのは――


『そろそろ出番が来るよぉ。準備はOK?』

『加勢頼むよ! グラたん!』


『あぁ。それじゃあ――出るぞ!』


 ソロモン七十二柱、序列二十五位。

 グループ【グラシャ=ラボラス】内順位、第一位。


 それが、自分の分身アバター

 [グラシャ=ラボラス]だった。

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