2章ー解読不可の文字
「なるほどな。いきなり必死にお願いしてくるのはそう言うことか。ならその御願いはもう少し取っておいていいぞ」
「えっ?…どういうこと?」
どうやら言われたことがよくわからないようだ。
「分からないのか?言葉通りだ。俺達はもうしばらくここに用事があってな。だから時間はまだあるって言ったんだ。わかったか?」
「えっ?…でも、迷宮を攻略したんでしょ?ほかにここに用事なんてあるの?ここって迷宮以外で有名どころなんて泉くらいしかない場所だけど?」
「ん?ああ、何か勘違いをしているようだな。お前も、勿論リムルもな。俺達はまだ真の意味でのガルダ迷宮攻略を終えていないんだよ」
「…それはどういうことでしょうかオウマさん?確か迷宮攻略した証は持っていらっしゃるといっていませんでしたか?」
疑問を浮かべつつリムルが聞いてくる。
「ああ。確かに迷宮の下層までたどり着いて証らしいものは手に入れた。ただ、どうやらガルダの規模はもっとあると、どうやら隠された領域がある事を知ったんだよ」
その証拠にとガルダの最下層と思っていた場所にある石碑の様なものがあったのだ。
そして如何にも何かの仕掛けじゃないのかと思い、試しに迷宮階層を”
なぜそう理解したか?それは、その石碑には今の自分達では理解不可の文字が刻まれていたからだ。
この世界に着て最初に会得していたのは”言語理解”だった。
この技能はこの世界の文字や言葉を理解し把握できるものだ。
実際この世界に来て初めて見る文字でも一目で何と書かれているのか分かった。
文字を書くのも同じ原理で問題なく行えるのだ。
正直この能力があれば世界の言語を学ぶ必要は全くないだろう。”英語”の授業なんて不必要となるはずだと思った。
しかし、”言語理解”があるにも関わらず、見つけた石碑の文字はまさしく解読不可であった。
なので、まずはこの石碑に刻まれている理解不可の文字を解読する必要がある。
解読しなければ本当の意味での攻略完了には程遠い。
そしてガルダ攻略後にふとリムルの言葉と、初めて泊まった部屋にたくさんの本があったのを思い出していた。
「とりあえず理解不可能な文字の解明をする事にしたわけだ。そして、その為にもしばらくはここで調べることにしたんだよ。俺が泊まった部屋に沢山の難しい本があったからそこにヒントがあるかもしれないからな。リムルは旦那さんと一緒に考古学とかに詳しいとか言っていただろ?だから協力してもらうと思う」
「私で役に立てるようでしたらお手伝いいたしますわ」
「そうか。あとはこの地にある迷宮っていうのが引っ掛かるからな。この地の伝説とかをもう少し詳しく調べようと思っている。だからもうしばらくはここで厄介になるって事で頼む」
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