第4章【クラン大抗争】2節【異常な団員達】

駆け続けること約20分。視界に紅い神殿の建物が見える。都市管轄機関カルミック・ギルドである。で、その前の広場で大戦闘が繰り広げられていた。

そのど真ん中にレイナが乱入し、その凛々しい声で叫ぶ。

「今すぐ戦いをやめなさい!やめなければ私たちが切り捨てます!」

すると、まず赤髪の人間ヒューマンの少女が反応する。

「……スカイドラゴンハンターズギルドね…助かったぁ~」

それをきっかけに、周りで交戦中だった他の団員も武器を構えた4人に気づく。

表情の温度差に違いはあれど、皆一様に示す考えは同じであった。つまり、

  「ギルドの第一級冒険者さいせいえいがなぜここに…!」

である。しかもよく見れば4人全員、準備万端の状態だ。

ヴィド「ええい、やっちまえ!全員でかかりゃあいけるぞ!?」

孤独神ソーマ・テラリア団長、ヴィドが自派閥の構成員たちを全員4人に向かわせて来る。レイナは短い溜息をついた後、「いくわよ!」と号令をかけた。

コウガは【イフリート】で焼き焦がし、アキは【スプラット】で薙ぎ払う。ハルヒは光・炎の広範囲魔術スキルで一個部隊分の人数まとめて吹き飛ばし、そしてレイナは【紫蝶】と【叢雨】の双刀を振るってとにかく1撃斬殺しまくる。

ソーマ・テラリアの団員達は、やられ役みたいに倒されていく。が。ある異常なことに気づいたレイナが独白する。

「倒したはずの構成員が…復活しているわね。闇の力かしら?」

よく見ると、4人に倒された構成員が、しばらくするとゆらりと幽鬼のように立ち上がる。その体にはうっすらと濃い黒のオーラが纏わりついているのが見えた。

ちょうど、職業ジョブ特性【聖眼】を起動していたコウガも気づいたようだ。

「…っ、なんだ…?濃い黒ってことは、闇が関係してるのか…」

取り合えず襲い掛かってくる団員達を牽制しながら、を探すことにする






次回→3節【闇の者】                      END






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