第3章【戦場に吹き荒れる暴風】3節【戦後】

またいつもの通りリミアの大軍勢を追い返し、帰還したスカイドラゴンハンターズギルド10人の最精鋭たち。

ちなみにそれぞれのジョブは、レイナがサムライ、コウガが聖騎士パラディン、アキが破砕者マーセナリーの前衛職、ハルヒが魔導者メイジである。通常、武芸・武器術系スキルは前衛職、魔術スキルは後衛職の方が長けている。が、この4人に関しては、そんなことなんて関係ない。

それぞれ4人が使った魔法スキルの残滓が城壁に吸収されるのを見届けてから、10人はギルドホームへと帰還していく。

コウガ「今回も楽勝だったな♪相変わらず」

アキ「そうですね。私はこの隣国との戦闘初めてなんですけど、霊峰に棲む神獣との戦闘バトルよりか簡単でした。」

レイナ「まあ、LV,50の成体神獣との戦闘のほうが油断できないし。でも時として数は質を上回る。そのことは忘れないでね」

ハルヒ「でもリミアの殲滅戦はそのパターンはありえませんけど」

まあね~、的ないつも通りの雰囲気でのほほんと歩く4人。その時不意に、

コウガ「………誰か隠れてやがるな。少なくとも味方じゃねえ。出てこい」

コウガが一見何もない虚空にその紅と銀の眼を向け、腰に差した投擲用短剣スローイングダガーを投げた。

すると、カキンッ!という金属音が鳴ったと思うと、黒いローブを被った男が現れる。補助系特殊スキル【隠蔽ハインディング】で隠れていたのか。

コウガだけが気づけたのは、職業ジョブ特性【聖眼】(感覚干渉系スキルを見破る)があったからである。

???「…我のスキルを見破るとは、さすがだ。その才覚も、最後に破滅を呼ぶことになろうがな」

アキ「……どういうことですか!?破滅って…!まさか、あなたは…!」

???「我の正体などどうでもよかろう。さっきの意味は、いずれ手遅れになるときに悟ることになる。さらばだ。」

ハルヒ「…そういうことだったんですか。でも…こんなのどうすれば…?」

コウガ「さっきのは絶対、闇側の者だな。ということは…」

称号ギフト系アビリティ【時詠み】持ちの2人は、疑問が氷解したような顔をしている。それを見て、女性陣2人もだいたいのことは察したようである。

一体何が起きるのか。今度はその疑問が4人の胸中に居座っていた。






次回→第4章【クラン大抗争】1節【勃発】           END







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