第1章第3節:神話のあらすじ


 古事記神話の大まかな流れは、以下の通りである。


 まず、この世の初めが語られる。タカアマハラに神々が出現し、イザナキとイザナミが出現した。


 オノゴロ島を作ったイザナキとイザナミは、その島に降り立つ。彼らは多くの島を生み、また、多くの神を生んだ。

 ところが、火の神を産む際に、イザナミが火傷を負ってしまう。その火傷が原因で、彼女は命を落とした。

 イザナミを迎えにヨミの国を訪れるイザナキだったが、そこでイザナミと決別することになってしまう。


 イザナキの息子であるスサノオは、海原を治めるように言われていたにもかかわらず、ネノカタスクニに行きたいと泣いていた。イザナキは激怒し、スサノオを追放するのだった。

 スサノオは、ネノカタスクニに赴く前に、姉であるアメテラスに会いに行くことにした。タカアマハラを乗っ取る気ではないかと疑われるも、その疑いを晴らすことに成功。

 しかし、その横暴な振る舞いによって、アメテラスは姿を隠してしまう。世界は闇に包まれ、ありとあらゆる災いが生じた。アメテラスが姿を見せたことで騒動は収まるが、スサノオはタカアマハラも追放されてしまう。

 地上に降りたスサノオは、ヤマタノオロチを退治することになる。


 スサノオの子孫であるオオクニヌシには、多くの兄がいた。オオクニヌシはウサギを助けたことで結婚に至るも、兄たちに恨まれてしまう。

 兄に殺されるオオクニヌシだったが、復活を果たす。2度めの死の後にも復活を遂げた。しかし、これでは命が足りないと、スサノオがいるネノカタスクニを訪れる。

 スサノオの武器を手に入れたオオクニヌシは、兄たちを追い払い、地上に国を築いたのである。


 アメテラスは、地上の国を自分の長男に治めさせようとした。オオクニヌシが国を譲ったことで、アメテラスの長男が地上に降りる準備が整う。その長男に子どもが生まれたことで、アメテラスの孫が地上に降りることに決まった。


 アメテラスの孫であるニニギは、ある時、美しい女性と出会った。彼女と結婚しようとすると、彼女の父は、彼女の姉も嫁に出す。しかし、姉の方は美しくなかったため、ニニギは妹とだけ結婚。これにより、天皇(ニニギの子孫)の寿命は短くなったのだと言われている。


 ニニギの息子であるホオリは、山での狩りを得意とする男。彼には、海での釣りを得意とする兄がいた。ホオリは兄に道具の交換を提案し、釣りをすることに。ところが、魚が釣れないばかりか、兄が大事にしている釣り針を失くしてしまった。代わりの釣り針をいくら用意しても、兄の許しは得られない。

 兄の釣り針を探すため、ワタツミの宮を訪れるホオリ。そこで結婚したホオリは、釣り針探しを忘れていた。3年経って思い出した彼は、釣り針と2つの珠(妻の父から授かった)を携え、ワタツミの宮から戻る。珠の力によって、兄を服従させるのだった。


 ホオリの息子であるウカヤフキアエズは、初代天皇・神武の父である。

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