トワイライト・タイム・カプセル

作者 夜野せせり

9

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★★★ Excellent!!!

「運命」はあらかじめ定められたものなのだろうか。
それならば恋をする相手も決まっているのだろうか。
赤い糸? ほんとうにそんなものがあるの?

「運命」を書き換えたくて、彼女は時間を跳躍する。
手に入れたいものは、たしかにあった。
そのかわりになにを失ってもいいなんて、思っていたわけじゃないけれど。

どうしても手に入れられないものってある。
それを望むあまりに、失わなくていいものまで喪うところだった。
だから幾度も「過去」を繰り返したことは、けっして無駄なことではなかった。
大切なものがなにか、気づくことができたから。

切なくて爽やかな余韻のあとの「番外編・恋花火」の甘酸っぱさに嬉しくなりました。
その後のふたりが「赤い糸」で結ばれていますように。

★★★ Excellent!!!

誰もが失敗したり、後悔したあとに思う「あのときに時間を巻き戻したい」
これがもし実現できるとしたら、何に気付くことが出来るのか。

最近、よく小説や映画をはじめ、多くの作品で見ることが多くなったタイムリープもの。この『トワイライト・タイム・カプセル』はその王道を走っているように感じました。

ただ、僕がこの作品を読んで「すごい」と思ったのは、
中学生という、子供からは抜け出せず、大人にも成りきれていない中途半端な時期にしか味わえない初めての失恋や、上下を意識するようになったばかりの人間関係やそのときの感情をとてもリアルに描いていることです。

読み切ったあとに感じるのは、自分がもしあのときに戻れたら、ということ。不思議と主人公に感情移入してしまう作品でした。