私の結婚と住宅ローン

「二人の結婚生活が始まる」という事は「労働から収入を得て消費する経済活動が始まる」という事。当時の私は何ら覚悟も自覚もありませんでした。


結婚するには、二人の住む家が要ります。住宅ローンという大きな借金を抱えます。

その上、国や自治体に税金も納めます。

大事な「お金」の事など何にも考えていませんでした。


結婚当初、家計と深く関わる政治・経済には全く無関心で野放図な生活をしていました。

賢い暮らしが出来ず、未だに細々と暮らす私達夫婦です。


しかし、住宅ローンだけは、当初より思った以上に借金の返済額を減らせました。

やはり社会状況に目を向け、行動を起こさなければいけません。

誰も教えてくれない事ですし、高い返済額を払い続けていたかもしれません。



1980年代初頭、今は無い住宅都市公団が次々団地や一戸建て、宅地を分譲し、公団の住宅ローンを組んで家を買う仕組みがありました。

公団の金利は銀行に比べて低く5.5%ですが、10年後7.5%になる設定でした。今では考えられない高金利でしたが、預金利息も高い時代でした。


それ以上に、勤め先に『社内預金』があり、銀行より高い利息で預けられました。給与から天引きされます。限度額まで預け利息がどんどん加算されます。利息が1%もない時代が来るなんて、考えもしません。


結婚前、二人の安い給与の合計金額で、何とか公団のローンが認められ、団地の購入手続きをします。

ところがこの時期、団塊前後の世代が多く結婚していて、希望する角部屋の獲得競争が激しく、当選しません。

渋々真ん中の部屋に入りました。


子供が生まれると、私は子育てに専念することになります。

若い30代の夫の給与では、住宅ローンは重くのしかかります。

その他、固定資産税、自動車税、水道代、電気、ガス…と今まで全く関心のなかった税金・公共料金と否応無く向き合わなければいけません


子供一人が家族に加わるだけで、水道代が目が飛び出るほど上がり、ビックリしたものです。

それでも夫の給与は、ずっと上がり続けるものだとばかり思っていました。……


夫は猛烈に働きました。

私は子育てで、てんてこ舞い。


1980年代後半のバブル期、ここの団地も高値が付き、引っ越しで人の出入りが頻繁だった様です。

入居から10年目、住宅ローンが7.7%になる時、少なからず繰り上げ返済します。


1989年株価最高値39000円台をつけます。

1990年株価が下降していき、

その後本格的な不況が始まります。

バブル崩壊でローン金利も預金利息も、どんどん下降します。


1993年(平成5年)には銀行の住宅ローン金利が3.8%。住宅公団の7.7%から借換えるのが断然お得!

これらの情報は朝やお昼のワイドショーから貰います。


子供も小学校や幼稚園へ通うようになり、午前中家事に追われながら、テレビをつけっ放しにしていました。

住宅ローン、税金等の話が始まると座り込んでメモしていました。


「さあ借り換えよう!」と言っても、土日は銀行は開いていません。今の様な土曜日の『ローン相談会』などありませんでした。


当時夫は平日に休暇を取る仕事状況には、ありません。忙しい夫に代わってわたしが借換え手続きを引き受けます。


登記事項証明書が必要で、気後れしそうな法務局へ初めて出掛けます。

借換え手続きも、丁寧に1つ1つこなしていけば、私でも無事完了することが出来るものだと自分に感心したものです。


ワイドショーは芸能界のスキャンダルの話をする番組だと思い込んでいましたが、時事を分かり易く視聴者に解説し最善の対策方法が提示され、とても為になる番組と気づきます。

それからは毎朝昼、テレビはつけっ放しです。

政策についての大臣や議員の体裁の良い発言の裏に、あらゆる思惑が潜む事もワイドショーのコメンテーターから教えられます。


国会中継は、難解な言葉のやり取りも有りますが、かなり面白い場面も有ります。


国会中継のある時は、新聞の番組欄に質問者の氏名が掲載されます。

楽しそうな⁉質疑応答が期待出来る人を見つけては観ていました。

古いところでは、小泉純一郎元首相の頃や民主党時代の田中真紀子元議員等、国会中継を不純な見方をしていました!

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