「かつて自分も来た道」と寛大になる歳

就職・結婚・子供の誕生は、慶び事でありながら同時に、新たに生じる人間関係のしがらみで苦労が始まります。


不条理・理不尽に、悔しさで歯噛みし、下げたくもない頭を下げ…複雑に渦巻く感情は、忍び耐えて心の底に沈めます。


そうして夫婦で子供の成長の為、家庭の平安を守ろうと力を尽くします。


この間夫婦には、あらゆる経験から、あらゆる種類の感情が大量に溜まっていきます。


若者からすると、親世代、祖父母世代が観るもの、読むもの、聴くものに共感出来ず

「こんなもの何が良いのかさっぱり分からん!」

と、冷ややかな気持ちになる事しばしば。


理解出来ないのは、仕方無い事です。

親や祖父母は圧倒的に過去の経験と感情が心を占めています。


若者には未来しか無く、どんどん新しく観るもの、読むもの、聴くものを吸収します。

親世代からすれば

「こんなもの何が良いのかさっぱり分からん」となります。


若者は、大人の意見に聞く耳を持たず失敗します。

かつての私達も同じでした。


もう私達世代は「かつて自分も来た道」と若者を寛大に受け止めてあげたいと思える歳のはずですが…


公園で遊ぶ子供の声が「うるさい」と言う世代でもある様で、申し訳ない事です。


とはいえ子供と公園からの帰り、近くのお宅の人に道で会った時、若いお母さんは「こんにちは」の一言があるでしょうか。

お互い知らない者同士であっても。


若い親子からの挨拶があれば、普段、子供やお母さんの声が耳障りだと思っていても、その一言で氷が溶ける如く、その人に優しさが戻って、同じ声でも違って聞こえるものです。

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