青い糸

第1話

昔から思ってた。

女の人はいつか素敵な人に巡り合って、

結婚して、幸せな生活をする。

ざっと思い返しても小学生の低学年から

こんな事を考えていた。

地味な女の子がいじめられる毎日から必

死に耐え抜いて素敵な王子様と出会う。

心優しく、内面から溢れ出る美しさ、いくら化粧をしてもそれに勝るものはない。弱いものに優しく純粋な心を持ち、時には強いものにも勇敢に戦う。

そんなプリンセスストーリーものにどっぷりハマっていたせいか、この思考は昔から変わらない。

いや、女性ならきっとそうだ。

一度は誰しもが憧れる道である。

男の子がヒーローものに憧れるのと一緒。

全然理解できないけど同じこと。

そして女の子もそんなヒーローみたいな男子が好きだしね。

うまくできている。

小さな頃から男と女ってそうゆう思考で産まれてきて、そうゆう教育をされ生きている。

あの頃から自分はそうゆう考えだけは変わってないなぁ。

しんみり思う。

しんみーり思う。

眠いけど、昔の私が頭の中で話しかける。

ねぇ、まだ王子様はいないの？

全然寝かしてくれないんだ。

明日はいつものように早く起きなきゃダメなのに。

今日みたいに夕方からのあくびを必死で押し殺すのがどれだけ辛かったか。

だからもう早く寝たいの。

でも全然眠れない。

こんな眠れない夜はたまにある。

1週間に２回はある。

その度、小学生の私が話しかけてくる。

ねぇねぇ、運命の人とは赤い糸で繋がってるんだって。

赤い糸か。

誰が言い出したんだろう。素敵な迷信。

スピリチュアル的な？

きっと夢物語が大好きだったおませな私はドラマでも見て覚えたんだろう。

それはドラマだから。フィクションで出来ていますから。

小学生の私に26歳の私は話す。

その赤い糸、ちょっと待って。

まだ見えないの。疑ってはないからさ、見えた時はすぐに報告するから。

眠気がようやくやってきた。

思考が薄れていく。眠い。

占いとかおまじないも大好きだった。

でもいい結果だけを信じてきた。

宇宙人とか超常現象も興味があった。

でも大体は疑いの目で見ていた。

でも赤い糸はきっとあると信じてる。

だって、私は青い糸は見た事があるから。

それも一度はではなく、何回も。