『GATE』の荒れっぷりについて
劣等生では、現実での常識や倫理観と作中での主人公達のそれとの間に齟齬が生じており、主人公たちのそれが作中世界での絶対唯一の正義となっていた為、純粋に違和感や気持ち悪さを感じた視聴者による特定のイデオロギーに依らない批判が多かった。(僕もそれでした)
しかし、『GATE』に関しては政治イデオロギー的な批判が多々ある。
評価の対象が「自衛隊」のみに限定されて、自衛隊と日本人に対する敵の振る舞いや実質的に帝国と戦争状態になっていること、及びその他背景が考慮されていない為、話が噛み合わない結果になってしまった。
しかし正直僕もアニメを見ていて自衛隊に違和感を感じたゾ。
あくまでフィクションだし何でもありのファンタジーなので真面目に考えるだけ無駄なのだが、自衛隊が何の躊躇も無く敵を殺傷して、その後も「PTSDなんてモノは存在しないゾ」みたいなところに違和感を感じる。
そりゃ軍隊なんだから敵を殺すのに躊躇していたら作戦を遂行できないし敵を殺した後に「もう戦えません……」なんて言うシーンはこの様なファンタジーアニメには全く望んでいないのでそのままでいいんだけどナ。
この違和感の原因の一つは、殺人は犯罪であるという前提を排除し切れなかったところにある。
その前提と、戦闘員は規則に則った上でなら敵国の戦闘員を戦闘中に殺傷しても処罰されないこと等の、各種国際法との割り切りがうまくできない為、敵兵を一方的に殺傷している自衛隊のみに批判が行ってしまう。
だけどそもそも異世界にこっちの世界のルールが通用するのかナ。
一応自衛隊は作戦を遂行する為の必要最小限の武力で帝国と戦闘しようとしているが敵の装備が貧弱すぎて一方的すぎるので非人道的という意見が出て来るのである。
じゃあこっちも弓矢と槍を使うかなんて考えは軍隊としておかしいし現代の軍隊vs中世の軍隊という時点でもうこういう批判が出て来るのは決まり切っているので無視するのがベターナンダナ。
では、その割り切りができれば違和感は消えるのか。
僕は自分を割り切りが出来ている方だと思っているが違和感は消えない。
結局これは、そもそも敵を殺傷しているのが自衛隊だから違和感を感じてしまうのである。
これを米軍やロシア軍や中国軍にして考えると全く違和感は無くなるし、むしろ敵に対して優し過ぎると感じる。
米軍だったら途中にラブシーンを入れて最後に核落としてUSA!で終わりだと思う。
ロシア軍や中国軍だったら「反ファシズム!労働者よ立て!悪辣な帝国を粉砕!」みたいに帝国を打倒すべき資本主義国として扱うかも知れない。(適当)
あんまりマジにならずに、アニメを一つの娯楽として観ることを忘れないようにしたいと個人的に思いました。
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