p6.  ふやけた炭酸水の音


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8日目  犬は散歩をサボらない

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 早苗さんがしんだ。

 死んだのでボクは図書館にいつでも出入り出来るようになったかと思えば、そうじゃなかった。早苗さんって何回でも蘇生するんです。最近の遊●王みたいですね。それでボクはプリプリです。図書館の前にバリケード貼って、出勤を邪魔しようとしたら、他の顔の怖いお兄さん共にボコボコにされかけて、死にかけラドスのラスダスラトス。タナトスがそこらへんに走っていますね。いつでも殺されないように心がけないと。

 というわけで、お姉さん事早苗さんはいつでもどこでも司書として蘇生されたり、偶に召喚されるのです。そして、カードを作ってくれません。

 だからボクは本を無断で借りようとするのですが、最近導入された、ICチップに反応するゲートみたいなハイテクみたいな既にローテクがボクを前科者に…うわぁ、何するんだやめろ!



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9日目    世界中の子供達が一斉にしんだら

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 多分地球の安全は幾分か保たれるだろうと思う。

 勿論、人が山を切り開いたり、整備したり、田畑を耕したり、建造物を拵えたり、家畜を生産したりとかなんとかで、世界中の生き物達の環境は、良くも悪くも改善改悪されてきた訳ですけれども、それでも多分人間は色々とやりすぎてしまった感じは否めないかなぁとおもいますです。

 一年経ってまた一年、そこに沢山の屍や、屍を埋める為の穴や、墓や墓石がおったてられて、そこに沢山の子供たちの骨が積まれていくのです。

 残った大人たちはそれぞれ、薄い目頭を抑えながら、やがて一人一人、その場で萌えたり、沈んでいったりするでしょう。

 後、火炎瓶を作ってここで投擲するのです。

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