p2. ヘヴンリー・パラソル(懐かしい小部屋)
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三日目 アフォーダンスを想起せよ
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「ボクは一度死んでしまいました。その時霊魂が適当に身体が抜けて空に飛びました。空に飛んだ霊魂はやがて散り散りになり、大気に紛れました。紛れたので当然人の体内に入り込みました。そして人の魂の中に潜り込んだのです。潜り込んだ魂は癌のように、適当に増殖してやがて寄生先の魂を乗っ取ってしまいました」
「なるほど」
「早苗さんの魂は、今ボクのクローンなのです」
「ふむふむ」
「ボクは今とても寒い思いをしています。中に入れてください」
「マッド●ックスを見よう」
「実はボク、映画についてよく知らなくて…」
「今更マッドなんちゃらって遅いわー。全くもう萎えるわー」
「視聴覚ブースに入れてくれたんですね? マッドなんちゃらとか」
「ボクは永久にそこに突ったってなさい。私が見るから」
そう言って早苗さんは、まだどこかに消えていきましたとさ。
おしまい~Fin~
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四日目 エミュー
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「ボクは動物が嫌いなんですが」
「猫も犬も?」
「あ、やっと中に入れてくれた」
「魚も?」
「パラサウロロフスは大好きです」
「なんで?」
「大体ティラノサウルスに食べられるからです。図鑑の中で」
「ふむふむ。それで今日は何の用かしらむ」
「今日は本を返しに来ました」
「貸出カード、作った覚えがないんだけど」
「ナチュラルに盗みました」
そして捕まりました。
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