小学生並の感想文

山田屋

一発目『Eje(c)t』BObeMAN(SF)

 いやぁ、どうもどうも。

 サービス開始して皆が懸命に小説を投稿しているってのにコイツ何やってんの?

 そう思った奥さん、そうです。本当に私は何やってんでしょうね。


 まぁ、そんなことはどうでもいいんですよ。

 とりあえずカチコミだっけ?サービス開始おめでとうございます!

 前置きなんて洒落せぇええええええええええええええ!

 さっそくですが、記念すべき第一作目を紹介したいと思います。


 タイトル:Eje(c)t

 作者  :BObeMAN

 URL  :https://kakuyomu.jp/works/4852201425155009384


・あらすじ

 西暦2078年――脳を接続してプレイするゲームハード「アウターワールド」。戦争からセックスまで、どんな事でも仮想体験できるこのゲームに、【排出者-Ejecter-】として挑むことになったヒキコモリの少年クロセ!

祖父の死の謎を追う彼を待受けるのは、狂気に犯されたプレイヤー達、巨大な陰謀 そしてOSを名乗る、謎の美少女だった…!

(※上記のあらすじに関しては作者様のページより抜粋させて頂いたものです)

 

 一作目に何を紹介しようか悩んだんですが、やっぱこれしかないでしょうと思い、BObeMANさんのEje(c)tを選択させていただきました。

 おめでとうございます、BObeMANさん! 読み方わっかんねぇ! ボベマンさん? ボーブマンさん? イエス!イエス! Hey,BobeMAN!!!!

 この文章を書きながら、ワタクシ、近所のスーパーで買ってきた鶏のササミで体を鞭打ちながら鬼門の方角に向かって祝詞を唱えおります! おめでたい!

 いやぁ、おめでたい頭の持ち主なんです、私!


 まぁ、それはさておき。

 ざっくりと作品の紹介をば。


 このEje(c)tという作品なのですが、基本的に三人称で書かれた小説です。

 プロローグである最初の一話だけが例外で、ほぼ主人公である黒瀬完爾の視点で物語は進行していきます。

 プロローグを読むとわかるのですが、作者であるBobeMAN氏は非常に一人称での文章が上手いです。けれども本編に入ると三人称へと変化します。

 ここで私は「なんでや? めっちゃ勝負できるやん、これで」と疑問に思ったのですが、小説を読み解いていくに連れて、この作品が三人称で描かれている理由が理解できました。


 あまり言及するとネタバレになってしまうんでアレですが、あらすじにもある通り、この作品はゲーム世界と現実世界を行き来することによって物語が進展していくタイプの小説です。

 現実世界での出来事とゲーム世界での出来事がリンクしており、そのリンクを際立たせるための魅力的なガジェットが小説内にはいくつも敷き詰められています。

 つまりですね、「あぁ、だから三人称で書かれているんだ」という面白い仕掛けが沢山あるってことなんですよ。

 よし、曖昧だけれどしっかり紹介できたぜ。


 まぁ、その辺りの小難しい小説論なんて僕知りません。ここ、小学生並の感想を書く場所だから! そんなことよりヒロインの話しようぜ! ヒロインの! 


 エントリーNO1!三ヶ月年下の義理の妹が出てきます。同世代の義理の妹だぜ! へへへ。お兄ちゃん、鬼いちゃんに変身しちゃいそうだよ、げへへへへへ。なんて感想を抱いた私ですが、その俗物でしかない心をミキサーで粉砕してしまいたい。


 眞子ちゃんっていうんですけどね、この子がもう健気なんですよ! 

 父親の再婚相手に着いてきた義妹で、いや、そんな妹は義妹としか呼びようがないんですが、なんかねぇ、主人公である黒瀬さんの家、家族仲があまりよろしくないらしいですわ、奥さん。

 なんかお父さんがデカい会社の偉いさんらくて、もう仕事人間で家庭を顧みなくて、だから黒瀬君と仲が悪いそうですの。

 そんなギスギスした家庭で一人孤軍奮闘するのが眞子ちゃんなんですよ。眞子ちゃん、マジ可憐。ヒキコモリのお兄ちゃんを部屋まで来てご飯に誘う眞子ちゃんは女神、それを見て悶える俺は天使。


 つまりね、俺は天使だったのですよ。


 さて、私がミカエル的な何かだったという衝撃の事実が発覚したのですが、そんなことはどうでもいいんです。実は眞子ちゃん、この小説においてメインヒロインではないんですね(おそらく)。

 コーディという仮想世界で主人公をナビゲートしてくれるポジション的にしっかりしたヒロインがいるんですよ。

 んで、このコーディーなんですが、実は彼女の存在はこの小説の中で非常に重要な存在となっています。彼女は仮想世界のナビゲーターでありながら、現実世界の主人公ともコミュニケーションが可能なんですね。

 とてもファージーな存在なんです。あ、これ重要。テストに出る。

 仮想と現実の境界線をファージーにする象徴とも呼べるのが、このコーディというキャラクターなんです。

 これは私の予想ですが、このキャラクターと使い方を思いついたとき作者であるBobeMAN氏はネルフの偉いさんみたいに「勝ったな」とシリアスな表情で呟いたこと間違いなしです。


 この文章を書いている今はact3の後半まで公開しているのですが、間違いないですね。このキャラは今後の展開に大きな影響を及ぼしてきます。俺の予測はもはや予言ですよ。

 なに、その手の情報が既に小説内で明確に書かれているだと? ばかやろう! 預言者はそうやって人を騙してきたんだよ!

 

 そのような内容をハードで冷静な文体を駆使して描き上げられた小説・Eje(c)t。今ならなんと! 最新話のact3後半は! 一気に世界の謎が襲い掛かってくる最高のタイミング! 追いかけ始めるにはベストの状況なんだ! そして僕と一緒に「act4まだー?」と口を開いた雛鳥ゴッコもできちゃうぜ! 最高だな、ハッハッハ!


 気になられた方がおりましたら、ぜひ一読のほどお勧めいたします。










 ちなみに、ですが。

 私個人としては、VRMMOというジャンルがフィクションで用いられるさい、その技術によって誰が救われるか、誰にとって価値のある技術となるか、誰へとどのようにして悪影響を齎すか、という点が非常に着目してしまいます。

 単純な娯楽品として用いるのも宜しいのですが、ネガティブな面とポジティブな面をしっかりと書ける作品にやはり惹かれます。その技術によって道を踏み外す人がいるけれど、救われる人が間違いなくいる。

 そういう二面性が、この作品には間違いなく描かれています。これは非常に重要なことだと私は思います。


 




 

 

 


 


 

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