309区 【まほさん】

【まほさん】 本名 伊藤 茉穂(いとう まほ)

★初登場回 246区★


人生に特に目標もなく、やりたいこともなくだらだらと中高短大と進み、条件がよかったからと、別に深い理由もなくもみじ化学を受ける。


無事に入社した配属先に、永野綾子がおり、最初は「あ、この人中学の時の先輩だ」と言った程度の認識だった。


だが、まほさんが入社した時は、すでに永野綾子が思うように走れなくなっている時期であり、それでも出来ることをすべてやってどうにかまた走れるようになろうと懸命になっている生き方を見て、「あれ? こんなにも自分の意志で自分の人生を生きている人がいるのに私は何をしているのだろう……」と思い始める。それと同時に、こんなにも頑張っている人が報われないのは可哀想だと考え始め、だったら自分が救ってみせると思い鍼灸師になることを決意。


しかしながら、まほさんが仕事を辞めた数か月後に永野綾子も退職してしまうことになる。


ただ、日常の生活にも支障が出ていた永野綾子の腰痛が消えたのは、鍼灸師としてのまほさんの腕のおかげである。まほさんと永野綾子の交流はずっと続き、まほさんも年単位をかけて、永野綾子の治療にあたったのだ。


まほさん自身はかなり面倒見がよく、そのすごさは自分の人生を人のために投げだすことになんの躊躇もないというレベルである。もちろん、そのおかげで永野綾子も大いに救われている。


紗耶が鍼灸師になりたいと相談を持ち掛けて来たときは、自分のネットワークをフルに駆使して、どの学校に行くのが一番良いかを教えてくれ、その後もずっと紗耶と交流を続け、自分の持っている経験や技術を逐一紗耶に教え続けてきた。


また、「いつか桂水市でお店を出したい」という紗耶の思いをくみ、まほさん自身がまずは桂水市でお店を出し、紗耶には人口が多い分様々な人間を見ることができるからと東京での修行を進める。


桂水でのお店が十分軌道にのり、紗耶にもしっかりと技術が身に付いたと判断した時点で、紗耶を桂水市に呼び寄せ、半年間自分のお店で雇用したのち、経営・顧客ごとすべて紗耶に渡してしまう。もちろん、顧客にも念入りに根回しはしていた。


ただし、紗耶に渡す際に、店舗を移転させており、世間的にみると、紗耶が新規でお店をオープンさせると同時に、まほさんが自分の店を閉店したように見えているが、事務手続き上は代表者の変更等があるものの継続して一つのお店という扱いになっている。


ちなみに、紗耶には「客が離れて言ったらそれはあなたの腕のせいだから」と、師匠としての威厳をみせてやったとは、本人がのちに語るところである……。


紗耶にお店を渡したのちは、自由気ままに海外へ放浪の旅へと出る。


数年間放浪し、存分に海外を堪能したのち、軌道に乗って忙しくなった紗耶のお店を手伝うようになり、事実上紗耶のお店の事務員兼鍼灸師と言う形で落ち着いている。

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