306区 【鍾愛女子高校】駅伝部メンバー

【井村 日和】いむら ひより

★登場回 46・47区★

永野綾子がアンカーを走った都大路で、鍾愛女子高校のアンカーを走った人。実家は高校から徒歩3分だが、寮生活をしていた。


順当にいけば、城華大付属高校から30秒以内でのスタートになると思っていたのだが、城華大付属のアクシデントにより、まさかのトップでのタスキ渡しとなった。後続の様子が分からなかったが、相手が永野綾子なら、無理に最初からハイペースで逃げるのではなく、無駄な体力を使わずにレースを進め、追いつかれてから勝負に出た方が勝算はあると考える。


だが、予想以上に追いつかれないので、逃げ切ると思ってしまい、一度気持ちを切らしてしまったのと、永野綾子の想像以上の凄まじいラストスパートについていけず、ゴールまで後僅かのところで優勝を逃してしまう。


ゴール後はあまりの悔しさと、チームのみんなに申し訳ない気持ちが入り混じり、ずっと泣き続けていた。


高校卒業後は、大学に進学し競技を続けていたが、故障が頻発。マネージャーとして残る道もあったが、自分の陸上人生にキッチリ区切りを付けたいと、両親には頭を下げて3年生の時に陸上部と大学の両方を辞める。


その後、実家に戻り、聖香が全財産を投げようとしたカッパの銅像がある本屋で働き始める。聖香も大学生になり、その本屋で買い物をする際、レジを打ってもらったこともあるが、残念ながらお互いが気付くことはなかったようである。


ちなみに、井村自身はいつもコメントが面白いポップを書くので、他の社員から非常に重宝されている。たまにSNSでそのポップが話題になったりしていることもあり、密かなファンもいるようである。



【世良 仁美】せら ひとみ

★登場回 181・195区★

修学旅行時出会ったえいりんの部活の同級生その1。


熊本市出身。都大路を3年間走っており、1年時は4区、2年時は3区、3年時2区を走る。


3年時は1位でタスキを貰ったものの、一瞬で紘子に抜かれ、あっと言う間に差を広げられてしまう。


その走りを見て、走力の次元が違うと心が折れそうになるが、すぐに「他のチームに負けなれば、後は残りの区間でどうにかしてくれる」と気持ちを切り替えられたのは、天性の心の強さのおかげ。


高校卒業後、4つ上の兄が陸上自衛官になっている影響から、自身も陸上自衛隊に入隊する。


なお、競技は高校で辞めるつもりでいたのだが、新入隊員訓練終了後、部隊配属されると男性顔負けの走力を持っていた上に、彼女が小学生の6年間は水泳をやっていたこと、射撃訓練の成績がかなり上位にいたこと、彼女が左利きだったことに上官が目をつけ、近代五種をやるために、自衛隊体育学校への挑戦を進める。


世良仁美自身最初は「近代五種って何? てか、もう競技は……」と言った感じだったが、上官の勧めを無碍にも断れず、選抜試験を受けてみることに。受けるとすんなりと合格してしまい、自衛隊体育学校へ入校となる。


いざ入校すると、水泳、フェンシング、馬術、射撃、ランと全く別の種目を1人で1日のうちにすべてこなす近代五種と言う種目に魅力を感じたのと、競技人口が少なく頑張れば日本代表になれることを知り、かなり本気で競技に取り組むこととなる。そのおかげで、競技を始めて僅か4年でオリンピック出場を果たす。


その後も、長い間近代五種で日本のトップ選手として活躍し、テレビや雑誌に出ることも何度かあり、市島瑛理と古庄志乃から「鍾愛の同級のなかで、まさか仁美が一番すごい人になるなんて」と驚かれている。



【古庄 志乃】ふるしょう しの

★登場回 181区★

修学旅行時出会ったえいりんの部活の同級生その2。


中学は別だが、世良仁美と同じく、熊本市出身。


都大路で3年連続1区を走る。中学時代は県で3番手のレベルだったが、高校に入って才能を一気に開花させ、上級生がいるにも関わらず1年生の時から1区を任されるほどに。 


1年時都大路1区区間9位。2年時6位。3年時は、超スローペースの展開にもあえて前には出ず、自らのスピードを生かしラストスパート勝負に勝利し見事初の区間賞。


大学は麻子と同じ体育大学に進む。麻子とはすっかり馬が合い、大学時代はプライベートでもよく一緒に出掛けていた。また、大学卒業後、永野綾子達が昔所属していたもみじ化学で競技を続ける。


桂水市に戻った麻子とも居住距離がそれなりに近いこともあり、大人になってもマメに連絡を取り合ったり、会ったりもしている。

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