第4話

少女はただ、日常を過ごしていた

日の出までに起きて近くの高台に上り一人で綺麗な日の出を見る。それが少女の日課だった。しかしそんな少女の日課はある日突然潰えた。それはある朝のことだった


その日は久々に雪が降っていた。まだ日は出ていなかったので足場は物凄く悪かった。少女は日の出に間に合うようにいつもより30分ばかり早い時間に家を出ることにした。勿論、朝早いのですれ違う人などいない。少女は孤独だった。少女はそんな静まり返った静寂が好きだった。だから少女は毎朝わざわざ朝早くに起きて日の出を見に行っていた。少女は家を出ていつもの慣れ親しんだ道を歩き始めた。慣れ親しんだとはいえ不慣れな雪が彼女の行進を阻害する。必然少女は足元を見ながら歩いた。そして少女はいつも通り高台へ行く唯一の道に人の足跡を見つけた。こんなに朝早くからここに来た人を大晦日以外で彼女は見たことがなかった。彼女はあまり人と接するのが得意ではなかった。だがそれは大切な日課を中断してしまうほどのことではなかった。そして彼女は目的地に辿り着いた。お気に入りのベンチは既に誰かが座っていた。しかし、そのベンチから見る朝日はとても綺麗なのだ。だから苦手だったがその人の隣に座った。

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