「ポーカー小説」ラスベガスのほとりにて

palchan

第1話チェリーパイ

「なぁジョー、俺ってポーカー向いてないのかな・・・」




ネバダ州、ラスベガス


カジノ近くにある小さなキッチンで図体のでかいアメリカ人と眼鏡をかけた日本人は


むさくるしく男二人話し込んでいた。


「なーに気にするなよ。たまたま今日は運がなかっただけさ。

 みちるは強いし明日こそ勝つって。」


そう言ってジョーはテーブルのチェリーパイを切り分け始めた。


深夜で人気もなく薄暗い店内にナイフと皿のこすれる音だけが響き渡る。


「ホレ。とりあえず食って今日のことは忘れよう」


みちるは心なしか自分のパイの方にチェリーが少ないように感じた。

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