ちょっとだけ言わせて
fifty
リアリティーは創作を面白くする。嘘を吐くのは一度まで
ごめんなさい、生意気だけどちょっと言わせて。
最近の創作は異世界ものやダンジョンもの、ゲームものやハーレムものが流行りです。
いいんです。
表現の自由です。
やめろとは言いませんし、言えません。
それらを好む人を批判するつもりもありません。
じゃあ本題いきます。
創作でもリアリティーのある作品は面白いんです。
というとノンフィクションが全部面白くなってしまうので、リアリティーとフィクション、つまり「現実」と「嘘」をうまく混ぜて作った作品は面白いと言い直します。
例えばクレヨンしんちゃんの劇場版。
豪華客船のクルーズで、猿に大人たちがさらわれて、船に子供だけになってしまう。
現実ではほぼあり得ませんけど、一応できますよね。
「猿が」を「テロリスト」に変えればあり得なく無いですよね。
でも、あえて「猿」にすることで、リアルでは無い面白さが出てると思うんです。
この一つの「あり得ないこと」が作品を面白くしてるんです。
「猿」は現実に存在しますよね。
でも「猿が人間をさらう」ことは無いですよね。
「嘘」は一つです。
もし、二つ以上「あり得ないこと」を入れると、途端に白けてしまいます。
豪華客船のクルーズで、宇宙人に大人たちがさらわれて、船に子供だけになってしまう。
これだと、「宇宙人」は存在しませんし、「宇宙人が人間をさらう」こともあり得ません。
じゃあ、宇宙人が出てくる作品はすべてダメなの?
いいえ、そんなことはありません。
今日、ハリウッド映画から漫画まで、多様な媒体に出てくる「宇宙人」ですが、評価されている作品は見せ方がうまいのです。
例えば、宇宙人が画面に登場し、観客もしくは読者が「うそくせー」と感じる前に、地球の一部が破壊されるとか、ヒロインや親友が殺されるとか、大音量でビビらせるとか(漫画では見開きで衝撃シーンとか)、もしくは最初から宇宙人が存在してる世界観を出す(銀魂やケロロ軍曹)など、つっこむ余裕を与えないことが大事なんです。
そこがプロの腕の見せどころなんです。
B級と世間で呼ばれる映画は、そこの間の取り方が下手な場合があります(予算の都合もあるでしょうが)。
でも、クレヨンしんちゃんの世界観にいきなり宇宙人を持ち込むのは、誰もが違和感に気づきます。
創作作品には「範囲」があります。
ひまわりが他の星のプリンセスになるってのは、日常系ギャグであるクレヨンしんちゃんでは「範囲」を越えています。
他の劇場版も然りです。
人間が動物になるのはどう考えてもクレヨンしんちゃんの「範囲」を越えています。
しかし、20世紀博は現実でも作れます。
しんちゃんの「範囲」を越えていません。
そこに特殊な「臭い」で大人たちを子供の精神に戻すという「嘘」を一つだけ入れて、名作映画となっています。
さて、しんちゃんの話は置いておき、ここからは小説の話にします。
ちょっと僕が考えたあらすじを一回読んで見てください。
「幼少期に親父の浮気が発覚し、僕は母親の実家に引っ越した。
その十年後、僕の高校に美少女転校生がやって来た。
彼女に一目惚れした僕が家に帰ると、転校生となぜか親父が居て、実は転校生と僕は腹違いの兄妹で!?」
・・・みたいな。
拙い文章ですいません。
適当に考えたあらすじですが、「あり得ないこと」は入っていません。
まあ、現実では浮気相手の子供が自分に会いに来ることは限りなく無いでしょうし、ましてや美少女で自分が惚れるなんてもっと無いですが。
しかし、最近よく見かけるのが、
「幼少期に親父の浮気が発覚し、僕は母親の実家に引っ越した。そのショックで僕は異能力に目覚め、人の心が読めるようになった。
その十年後、僕の高校に美少女転校生がやって来た。なぜか心が読めない彼女に一目惚れした僕が家に帰ると、転校生となぜか親父が居て、実は転校生と僕は腹違いの兄妹で、妹も異能力者で!?」
・・・みたいな。
設定が混みあいすぎなんです!
最初からラブコメと異能力ものを同時進行させようとするのはよほどのスキルがないとごっちゃになってめっちゃ分かりにくくなってしまうんです!
プロの作家さんなら、読者はその人の作品を熱心に理解しようとしますが、投稿サイトでは、何十、何百もある小説の細かい設定を覚えられる読者はそうそういません。
いくら精魂込めて書いても、読んでくれないのです。
だから、最初はシンプルに、その作品の範囲を設定する事が大事です。
ギャグだったら撃たれたり、斬られたりしても次の場面で平気で出てきますが、現実に近づけると、大怪我もしくは死亡します。
土台を作る前にいろいろ設定を乗せちゃダメなんです。
土台が広ければ広いほど作品の自由度が広がります。
ドラゴンボールも最初から人間以外の種族がいたからフリーザやセルが出てこれました。
僕は小説界のオーソリティーでも編集でも無いですが、ただ感じたことを書いてみました。
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