-7- 魔法少年と最果ての地図
叶 遥斗
はじめに
んん? 客か。見ない顔だな。でも安心してくれ。お前たちが何者か、俺は知っている。
俺か? 俺のことはどうでもいいさ、今は関係ない。ナレーターか道化? はは、ガラじゃねえがまぁそれでいいさ。
お前、あれだろ。チキュウ、そう地球人だ。確か一日が二十四時間で三百六十五日が一年。いやこれは大事な確認だ。
例えばそうだな。お前が本を読んだり書いたりしたときに、その登場人物に違和感があって物語に集中できない――そんな経験はないか? こどもはこんなんじゃない、おとこはこうじゃないっていう意識。
人生のなかでどんな人間と出会い関わってきたかで、一人一人の感覚にはズレが生じることもあるだろ? あるいは生きた時代がそもそも違う場合。
俺が解決しよう。どーん。
ようこそ。俺の
ここは
紹介しよう。これからお前が目撃するのは一人のこども。名前はロイ・ミルカ。腕っぷしも弱く頼りないただのガキだ。俺が選んだ、
負けず嫌いで、へそまがり、ひた向きで正直者だ。ガキの戯言に付き合いきれないときもあるかもしれないが、俺は負けず嫌いが大好きだ。
どうなるか、どうするか。俺もお前も傍観者。黙ってロイを見守るとしよう。
だが気を付けてくれ。物語は繊細だ。お前が興味をなくしたときには不意に消えてなくなってしまう。ここはそういう世界なんだ。本を閉じても瞼を閉じても、お前の心にあればいい。
何度でも、俺はここで待つだけだ。最後まで物語が紡がれることを。
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