涼宮ハルヒの視点
@Gcham
プロローグ
あたしはいまだ覚えている。小学校6年生の時のあの事を。
"父さん、ここっていったい何人もいるの?"
家族と一緒に野球を見に行ったあの日。あの日はあたしの人生の大きな転換点になった。何の考えもなく立ち入った野球場、その中に米粒のようにいっぱいの人たち。父さんは大体5万人ぐらいになるだろうと軽く言ったがあたしには大きな衝撃だった。日本全国の人口をすべて集めたんじゃないか疑った。
"5万人だって"
あたしは家に帰ってからすぐ電卓を手に握った。
"日本の総人口が一通り1億は超えるから、1億を50000で割ると。"
ボタンを押しながら計算機に表示された結果を見て、私は目を疑った。
"2000分の1!?"
2000分の1。あんなにおおかった人口がわずか一部に過ぎないのだ。信じられなかった。世界は広すぎるし、あたしって小さすぎるって感じてしまった。
あたしは自分が特別だと思っていてたんだ。でもあたしの知る世界って小さすぎただけだ。本の世界の大きさ。それを知ってしまったから力が抜き出し始めた。あたしはあんなにたくさんの人々の中でただの一人だったのだ。 何一つ特別じゃない、ただの。
その日からなにもかもが全部つまんなくなった。あたしがただの普通な人間だったなんて。特別などころがないんだって。たしか特別な人がどこかにはいるはず。あたしはずっとそう思いながらすごした。
そして中学生になったどころで、あたしは自分自身に言った。
"おもしろくて特別なものは待っていたって来ないのよ!"
自分で探すべきだと思いついたのだ。あたしは待つだけの女じゃないって、そう言いたかった。だからあたしは努力した。特別な何かを探すために。そしてそれはこの世の要求する物とはずれていた。
"君は何でそんな事するのだ?"
はじめては周りの友達が、次は先生達が、そして家族まで。みんなあたしを変だと思った。あたしの背中からひそひそと話す声が聞こえてくる。
あたしって変なのかな?だったら普通ではないのかな?
しかし、
変なのと特別なのは違うのよね。
'あたしが望むのは特別な何かよ。特別じゃないならこの世だって必要ない。'
そう思ってた。
そして夏になって七夕の日だったはず。その日の記憶に微かに残っているあの男。彼は自分をジョン・スミスと言った。うさんくさくてありえないあの名前。日本人のくせにあんな名前を持ってるはずがないのだ。どうして彼は自分の名前を隠してたのかな?彼は自分の姉と言う人と一緒にあたしの前に現れた。その二人はたしかに北高の制服を着ていたと覚えてる。あたしはその日七夕ってわけで彦星と織り姫に願いを伝うため、学校の運動場にあたしの存在を知らせるためのメッセージを書くつもりだった。あの時ジョン・スミスはあたしを手伝ってくれた。はじめてだった。あたしがやることに怒鳴らず無視もせず一緒にやってくれた人は。
あたしは彼に聞いた。
"あんた、宇宙人って居ると思う?未来人は?超能力者なら?"
実はあたしはそういう存在達がいる可能性はほぼないと思ってた。あきらめるつもりだった。でも彼は、ジョン・スミスは存在達がいるはずだといった。
"居るんじゃねえの?居てもおかしくはないな。配り歩くほど居るだろうよ。"
ありがたかった。
冗談としてお返ししたのかもしれない。でも彼は無視はしなかった。あたしが言う事を変だと思わずに理解しようとしてくれたんだ。
彼とのお別れの時彼があたしに叫んだ事を覚えている。
"世界を大いに盛り上げるためのジョン・スミスをよろしく!!"
何の意味かな?いまだ彼のあの言葉は理解できない。
あの日の事はあたしをもっと強くさせてくれた。あたしはもっと頑張ってこの世の不思議を探しに行き回った。あたしだけの特別なある何かを求めて。でも結局あたしは中学3年が終わるまで何の不思議も探し出せなかった。ちなみにジョン・スミスのことも調べたけど全然手がかりが取れなかった。そして少しずつ、あたしは疲れてきた。
明日からあたしは高校生になる。
北高。ジョン・スミスに関する手がかりを持ってるはずの学校。もしかしたらジョンみたいな人がもっといるかもしれない学校だ。北高を選んだのはただそれだけの理由ではない。しかしやっぱほかの高校に行かずに北高に進学する決定をしたのはたしかにジョンのせいだ。
明日、どうなのか決められるだろう。もちろんジョンはもう卒業しちゃったと思うんだけど、彼みたいな人がいる確率はほかのどころより高いはずだ。今まであたしが努力してきたこと、不思議との出会いにとってこの北高は新しい足場になってくれると信じている。ちょっとは不安かな。本当に居るだろうか?宇宙人、未来人、異世界人、超能力者。あした学校で確認するつもりだ。自己紹介の時間にこう叫ぶつもりだ。
"この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらあたしのどころに来なさい!"
と。
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